488. 飯田が入院

1/1

278人が本棚に入れています
本棚に追加
/675ページ

488. 飯田が入院

「静香?悪いけど、俺は荷物を運んだら、とんぼ返りするよ。 明日は仕事だからさ。 静香達は当分、実家にいるんだろ?」 「え?あ。とりあえず一週間ね。 お母さんが体が良くなるまでね♪ そうそう、草刈りをシルバー人材会社に頼んだの。」 「わかった。後で請求書をくれるか?」 「わかったわ。」 そんな2人の会話を聞いた母親が 「静香?請求書はお母さんに渡して?」 「あ。お義母さん!いいんですよ! 今回は退院祝いとして、受け止めてくださいますか?」 旦那が母親に笑顔で答えた。 「悪いわよ…。 そうね。それじゃ、今回だけはお祝いとして受けとるわ。 次回はわたしがシルバー人材会社に頼むことにするわね。 よっちゃん。静香。ありがとう。」 食事が終わると、実家に帰った。 旦那は静香の実家に荷物を運ぶと、そのまま憲一に会わずに社宅に帰ると言って、義母を送って帰っていった。 「3週間ぶりに帰ってきたわ~♪ やっぱり家はいいわよね~♪ 金魚も元気そうだし、植木もイキイキしてる。 お庭も綺麗だし、言うことないわ♪ 静香のお陰ね。ありがとう♪」 「ううん。お母さんが喜んでくれる顔をみたいから♪ 怒られたくないもの!(笑)」 「あ!お布団全然干してない! 今1時過ぎだから、今から干そうか?」 「そうね。天気がいいから、お願いしようかしら?」 母親はゆっくり台所に向かうと、お湯を沸かしてお茶を飲み始めた。 1つ1つの行動が、手術前とは違う母親の姿を観ていた静香は、今度は私が母親を守らないといけないと言う気持ちが芽生え始めていた。 夕方、布団も取り込み母親もベッドで休んでいた頃、憲一が元気に帰って来た。 「ただいま~♪みよばあは?お父さんは居ないの?」 「みよばあは疲れて寝ているわ。 お父さんは明日が仕事だから、とんぼ返りしちゃったの。」 「え〰️!お父さんに会いたかったのに〰️。 泊まって行かなかったの〰️?」 「仕方ないでしょ? 明日が仕事だと、お父さんはチーフだから、早く会社に行かなくちゃいけないのよ? 泊まって行ったら、朝5時にはこっちを出ないといけないでしょ? それじゃ、お父さんが可哀想じゃない! それじゃ、声だけでも聴いてみてら? そろそろ社宅に着いた頃じゃない? 電話してみたら?」 憲一は直ぐに実家の電話から、お父さんに電話していた。 「お母さん♪お父さんね。 来週の土曜日に帰って来るって。」 憲一は嬉しそうな声で静香に言った。 「え?月末なのに?」 「うん。何かね。よしばあの土地の土手の草刈り頼まれたんだって。 それとね。車屋さんに行って1年点検なんだって♪」 憲一はスキップしながら、美咲の部屋に行った。 「え?また、来週帰って来るの? 仕方ないか〰️。親孝行しないとね。 私の親孝行は看病ね。 さてと、夕飯は何を作ろう💦 病院にもらったレシピ見て作ろうな。」 静香は買い物に出掛けた。 車に乗り込むと、携帯が鳴った。 白石からだった。 「静香。お袋さんの退院おめでとう。」 「あ。加奈さん♪ありがとう。」 「静香!それでな。昨日の夜、チーフが入院して、お店は臨時休業になったんだ!」 「え?尚ちゃんが!!! 何で?元気だったよね? どうして?どうしてなの?」 「倉庫にある夏物食器を取り出すのに、お米をどかして上の棚に手を伸ばしたときに、積み重ねたお米が崩れて、チーフが乗っていた椅子が倒れてそのままチーフも転がって、右手を怪我したらいのよ!」 「ええ!!!右手を〰️!」 厄祓いに行ったのに!何で〰️! 「それで、何処に入院しているの?」 「それが、お父さんと同じ所に入院したらしいの!」 「あ。大学病院?」 「そう。お母さんが看病するのに同じ病院がいいからだって!」 手を怪我して入院って… 静香は余程酷いのだと思った。 いてもたってもいられなかった静香は、気が付くと大学病院へと走っていた。
/675ページ

最初のコメントを投稿しよう!

278人が本棚に入れています
本棚に追加