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492. 病院に向かう静香
そこに憲一が起きてきて、
「お母さん?加奈お姉ちゃんとのお料理教室はどうするの?
今月はお休みしちゃったけど…
もう終わりなの?」
「え?お料理教室?」
母親が静香の方を見た。
「あ。私が事故で入院したときに一緒の病室になった加奈さんの事よ♪
お料理が得意じゃなかったから…家で月末の土曜日に憲一が先生になって料理を教えていたのよ。」
「ああ。そんな事憲一に聞いたことあったわね。
今月は私の為にお休みしちゃったのね…
それなら、来月からここに来てもらえばいいじゃない?
賑やかで楽しいわ。
泊まるなら、客間もあるし、お風呂も入っていけばいいしね♪
私の為に中止なんてしないでね。」
「いいの?よしばあ。さすが~♪
お母さん。加奈お姉ちゃんに伝えてね♪
今回は尚ちゃんのお店が休みなんだから、平日でもいいよね?
来週の火曜日は学校の創立記念日で休みなんだ♪」
「え?そうなのね。
わかったわ。来週の火曜日?
加奈さんに聞いてみるわ♪」
静香は白石は今頃は寝ていると思って、メールを入れた。
お昼近く、白石から返信があった。
来週の月曜日がラウンジが休みだから、夕方そっちに行くから住所を教えてとの内容だった。
「憲一。加奈さんから返事が来たわ。
お仕事が月曜日がお休みなんだって。
月曜日の夕方こっちに来てくれるみたい。
加奈さんの車にはナビは付いてないから、家に来てもらってから、実家に一緒に来ればいいかな?」
「そうだね。そうしたら?」
そんな話をしていたら、
「ただいま〰️。つかれた〰️。」
へとへとな顔をして、旦那が帰って来た。
「よっちゃん。お疲れ様。
シャワー浴びるといいわよ。」
私が言う前に、母親が気を遣って旦那に言った。
「お義母さん。ありがとうございます。」
旦那は急いでお風呂場に行った。
静香は脱衣所に行って、シャワーを浴びている旦那に声をかけた。
「よっちゃんの下着をここに置くね。お昼食べたら社宅に帰るの?」
「う…ん。疲れたから憲一の部屋で昼寝してから帰るよ。」
「そう。わかったわ。」
静香は下着を置くと、台所に立ってお昼の支度をした。
「お母さんは焼き魚で、私たちは豚肉のしょうが焼きでいいかな?」
お粥は朝作り置きしておいた。
母親は消化の良いものしか食べられない。
結構面倒だけど、静香は出来ることはしてあげようと思っていた。
昼食が終わると、旦那は憲一の部屋で昼寝をした。
母親も部屋に戻って行った。
憲一は元気良く、友達の家に遊びに行った。
静香は夕食のおかずを買いに外に出た。
『こんな生活がこれから続くのよね?
なんか、落ち着かないなあ。
実家なのに…尚ちゃんと電話も出来ないし…ソファーで寝そべってテレビも見られない…
私には窮屈な生活だよ。』
いつの間にか、静香は飯田の入院している病院まで走っていた。
静香はメールしてみた。
ブーブー
直ぐに飯田からメールが来た。
『タバコを吸って外にいる。
外の自動販売機まで来てくれる?
』
急いで、静香は喫煙所近くまで向かった。
飯田が手招きをして、自動販売機の近くの長椅子に座っていた。
「静香。淋しかったよ。
旦那が来ているのか?」
静香は隣に座って頷いた。
「無意識に病院に向かってたの(笑)」
「ハハハ。俺のテレパシーが通じたみたいだな。
俺の右手…動きが鈍くてさ…
近々神経を繋ぐ手術をするんだ。
ホント!随分この手には落ち込んで…
俺がさ。独りで泣いていたよ。」
「え?尚ちゃん?そんなにその手が酷いの?
メールではそんな事、微塵も言って無かったよね?
ごめんなさい。何も知らなくて…」
「いや。俺もさ。骨のひびと怪我とだから、そのうち治ると思っていたんだ…
一昨日さ。CTスキャンとレントゲンを撮ってさ。
手が動かないのは不自然だって医師がいってさ。
ここは神経が写るレントゲンみたいな機械があるからさ。
昨日検査して、橈骨神経麻痺ってわかったんだ。
普通の人なら、ほっといても治るみたいなんだけど…
俺の場合は腕にガラスが突き刺さって…、そこの神経がやられたみたいなんだ。
だから、神経をくっつける手術をしないとこの手は不自由になると言うんだ。
だから、一刻も早く手術して欲しいって医師に頼んだよ。
医師に100%元に戻るのか?って聞いたら…手術しないとわからないって言うんだ。
その後のリハビリが大切みたいで…
俺、どんなリハビリにも耐えてみせるから!
絶対元に戻して、早く店を開けたいんだ!」
「尚ちゃん?そんなに焦らないで!
絶対治るんだから!ね!」
「ああ。静香、ありがとう。
絶対治すからさ。お店は少し待ってて欲しいよ!」
「うん!何処にも行かないで待ってるね♪」
「静香?シャワー室に行こう。
背中拭いてくれるか?」
静香は黙って頷き、2人でシャワールームに入った。
飯田の体を丁寧に吹いて、最後の仕上げにフェラをしてあげるのが、シャワールームの中でのセットになった。
「早く退院して、静香とやりてえ!
あぁ。その前にこのゴールドフィンガー元に戻さないとな!
静香にフラれちゃうよな?」
「尚ちゃん?私はそんな事で尚ちゃんを振るわけ無いでしょ!
とにかく、焦らず生活してね?
手術する日はちゃんと教えてよ?」
「ん。わかった。ちゃんとメールするよ♪
静香とこうしてインスピレーションで会えたんだ♪
魂と魂で繋がっているんだもんな。
俺の心を治せるのは静香だけだからな。」
熱い口付けをすると、シャワールームを出た。
「じゃあな。またな♪」
左手を上げる飯田に見送られて、
静香は急いで帰って行った。
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