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495. 今夜はお餅パーティー
夕方5時にはお餅が出来上がった。
納豆。あんこ。きな粉。大根おろし。海苔。
5種類の餅が出来た。
「よし!出来たね♪食べようか?」
「いただきま~す♪」
4人はおしゃべりしながら、食べ初めていた。
「お餅は消化が早いから、7時過ぎたら雑煮を作るね♪」
「え?お雑煮?お正月じゃないのに食べられるのか?」
白石がまた、時代錯誤のような質問をした。
「加奈お姉ちゃんはドラえもんの反対だね。」
「え?ドラえもんの反対?」
「うん。
ドラえもんは未来から来たロボットなんだよね♪
だから、その反対。
お餅は昔の人はお正月に食べる貴重な食べ物だったんだよね?
だけど、今はいつでももち米があるから、いつでもお雑煮は食べられるんだよ。
お正月以外に食べてはいけないって決まりはないよ?」
「ハハハ。そうだな!
私もスーパーで時々お餅を買うよ。だけどいつも海苔巻き餅が主流だったから…
お雑煮を食べる習慣が無かったよ。
それじゃ、お雑煮の作り方を教えてくれるのか?」
「うん。簡単だよ♪あの出汁を使えばね♪」
「おっ。あの出汁を使うんだね♪
あの万能出汁を。」
「あら?加奈子さんは万能出汁を作れるのね?」
みよばあが白石に聞いた。
そこに憲一が助言した。
「あ。そうそう。始めに教えたんだ♪
みよばあとよしばあに教えてもらったことを、加奈お姉ちゃんに教えてあげたの。
お母さんは知ってるくせに、面倒臭いって言って"市販のだし"を使うときが多いけどね(笑)」
「だって…市販の出汁を使った方が美味しいんだもの。」
「え?静香?インスタントの方が美味しいって…
作り方間違えているんじゃないの?
静香はテキトーに聞いているから!
テキトーの出汁ができてしまうのよ?」
「え?テキトーの出汁?」
「水から話すわね。
関東と関西は水が少し違うの。
軟水の硬度が50が関東方面で硬度が40が関西方面なの。
関東の水は日高昆布が合うし、関西は真昆布が合うの。
煮出しするなら昆布は沸騰させては駄目よ?
60度のお湯で出汁を取るのよ?
出来ないなら、水に日高昆布を一晩浸けて置けばいいのよ?
鰹ぶしも出来れば、削るタイプの
本枯鰹節が一番いいんだけど…
静香は削り節だろうから、沸騰した鍋にわしずかみ出来るような沢山の削り節を入れて直ぐに止めるのよ?
2、3分したら削り節は取り除いてね。」
「え?わしずかみする位の量?
大きな花かつおの袋、半分無くなっちゃうよ?
そんなに入れるの?」
「そうだよな?私は憲ちゃんにそう教えてもらったぞ?」
白石も口を挟んだ。
「静香はケチって少ししか入れないからじゃないの?
だから、出汁が出ないんじゃないの?」
「そうなんだ…でも、そんなに大量の削り節…捨てるの勿体ないよね?」
「あら。私は捨てないわよ?
フライパンで、その出汁が出た鰹節の水分を飛ばすまで煎るのよ。
そして、本つゆを入れて鰹の佃煮としてご飯の上に乗せて食べるわ♪
海苔にくるんで食べると美味しいのよ。」
「え?そうなのか?私も捨てていたよ。
本つゆってそばとかうどんとかのつゆの事かな?」
「そうよ♪煎って割らないつゆをそのまま入れるといいわよ。
今度、試してね。
静香もね?」
「わかった。1つお利口になったよ。
それじゃ、昆布も佃煮にするの?」
「そうね。おでんに入れてもまだまだ出汁は出るわ。
千切りのように細かく切って、出汁を作ったかつおに本つゆを入れて佃煮にするのも美味しいわ。
磯前浸けも出きるわよ♪」
「私には磯前浸けはハードルが高いから、おでんだったら一石二鳥だね♪」
と、白石が答えていた。
「お母さんは寿司屋に丁稚奉公したことあるから、詳しいのよね。
お母さんの味に追いつけられるように頑張るよ。」
「そうね。お母さんは長くはないから、早くお母さんの味付けを覚えてね。」
「静香のお母さん?
そんな事言わないでください!
師匠の師匠なんですから!
長生きしてもらわないと私が困ります!
今度、居酒屋をやろうと思っているんですから!」
「え?居酒屋を?
加奈さんはそうなのね?
実はね。私も若い時、居酒屋をやりたかったの♪」
「え?お母さんが?」
母親の夢が居酒屋なんて、今まで聞いたことがなかった静香だったから、驚いた。
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