467. 今日は飯田の手術の日

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467. 今日は飯田の手術の日

次の日の夜、飯田からメールがあった。 『加奈さんからメールがあってビックリした。 静香にメルアドを教えてもらったって言ってた。』 『皆に心配かけてすまない。 神経を繋ぐ手術は明日に決まった。手術が成功したら、2日後にはリハビリが始まる。』 『リハビリ頑張るからな。 明日午前中静香の顔を見たい。 手術前に心を落ち着かせたい。』 50文字までしか打てなかった時代だったから、何度も小刻みにメールがあった。 『わかったわ。明日9時頃行くね!手術絶対成功するからね! 焦らず、空手を思い出して精神統一よ!』 静香はそう、返信した。 『おう!そうだったな。精神統一して、明日静香を待ってるよ!』 そんな内容のメールが返ってきた。 明日が手術の日なんだ。 静香は祈る気持ちで、明日を待った。 次の朝。 「お母さん。今回はチーフの手術の日なんですって。 お見舞いに行ってくるね。」 「あら。そうなの。加奈さんも心配していたわね。 一緒に行くの?」 「え?う、うん。9時に待ち合わせなの。 お昼に手術始まるみたいだから、その前に面談してくるね。 お母さんにはサンドイッチ作って置いたから。 もしかしたら、加奈さんとお昼食べるかも知れないし。 じゃあね。行ってきます。」 静香は母親にはそういって、家を出た。 『加奈さんも尚ちゃんが今日手術って知っているのかな? きっと、知ってるよね? 可愛い弟の手術だもの…きっと来るわね? まだ寝てるわね。後でメールいれてみようかな。』 9時には病院に着いた。 『いつものベンチにいるよ』 飯田からのメールが入った。 「尚ちゃん!おはよう♪」 静香は出来るだけ励ましたくて、元気に挨拶した。 「お!おはよう。今日は午後1時半から手術なんだ。 お袋はお昼過ぎに来るって言ってた。 静香の顔みてほっとしたよ♪ 手術なんて…昔は怖くなかったのにな。 この右手の親指と、人差し指と中指の動きが鈍くて… 本当に神経を繋ぐ手術したら元に戻るのかな? なんて思ったら怖くてさ… 嫌な夢を見ちゃってさ…」 「え?嫌な夢?」 「ああ。手術して目が覚めて、指を動かしたら…全く動かなくて… 俺の指!俺の指!って言ってうなされてたんだ! 看護師が揺さぶって起こしてくれたんだ… 嫌な夢だった。 もう、静香の顔を見たくて…心細くて…側にいてほしくって… こんな気持ち初めてだよ! どんな時でも勇敢に闘ってきた男なのにさ。」 「尚ちゃん…」 静香は飯田の手を握って 「絶対手術は、成功するわ! ここの病院は日本でも有名な病院よ! 手術が、失敗するはず無いわ! 絶対治るに決まってるわ! 私がついてるから!ね?」 静香の手の温もりが、飯田の心まで温もりでいっぱいになった。 「ん。そうだな。ありがとう。 先生を信じて、手術に挑むよ! なあ?静香。背中洗ってくれるか? 9時半からシャワーの予約してあるんだ。」 「ええ。わかったわ。今度はシャワー使えるのね?」 「ああ。包帯取れたんだ。下着も準備してきたからさ。 左手は使えるけど、背中洗えないからお願いするよ♪」 静香は頷いて、2人でシャワールームに向かった。 「ははは。今日はラブホに来てるみたいな感覚だな。 久しぶりのシャワーだ。静香?良く洗ってね♪」 入院してちょうど2週間が過ぎた。 体を拭いたり、シャンプーしたりは看護師にしてもらえていたけど、綺麗にシャワーで洗えるのは気持ちいいものだ。 「静香も裸になって一緒にシャワー浴びない?」 「ダメよ。そんな事したら30分以内に終わらないでしょ! 次の人が入ってきてしまうわ!」 「冗談だよ。あー。くそっ。後何日入院しているのかな? 静香とやりてえー! …スゲーな。俺…勃起してるよ!」 「もう!尚ちゃんの息子って元気ね!」 「だって…静香が気持ち良くしてくれるから…チンチン気持ち良く洗ってくれるんだもん。 男なら当たり前だよ!」 静香は黙って、飯田の息子を咥えた。 「う。っつ。ダメ…気持ち良すぎるよ。出る…」 静香は美味しそうに飯田の白濁を飲んだ。 飯田はこんな病院のシャワールームで、静香にフェラしてもらえることに感謝した。 しゃがんでいる静香を抱き上げると、口移しで水を飲ませた。 そして、いつまでも口付けをしていた。 ドアの外から誰かの足音に静香が気が付き 「誰か来たわ。尚ちゃん?服を着て!」 飯田は頷き急いで着替えを終えると、ドアを開けた。 「ん?誰もいないな。 静香?俺が先に出るから、後から時間差で病室に来てくれる?」 わかったと静香は頷いた。 夫婦ではないのだ。 一緒にシャワールームに入っていたのを目撃されてはまずい。 時計の針は10時5分前だった。 飯田が病室に戻ると、病室の前で白石が待っていた。
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