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483. やっと終わった1日目
「はい!静かに!」
教育主幹の一言でざわついていた部屋が、ピタリと止んだ。
「全ての仕組みを後で説明しますから、自己紹介を続けてください!
時間が足らなくなって、4時には終わらなくなりますよ!」
静香の隣の水戸営業所の人が、自己紹介をした。
そして、次々と自己紹介をきちんと話していた。
『うわ~。皆、面接のテキストみたいに淡々と自分を客観的にみて、話してるよ〰️。間抜けな話をして、笑われたのは私だけかも〰️💦』
30人の自己紹介で1時間半が過ぎた。
休憩が入り、その間、主幹がプロジェクターの準備をしていた。
「はい!皆さん。やる気のある事務員が来ていただけた事に感謝します。
4日間で研修は終わりではありません。
来週からは、それぞれの営業所の先輩の指導に素直に従ってくださいね!
それでは、先ほどの個々の営業所の経費の計算方法を教えます。
その前に、こちらを見てください!」
スクリーンに会社の概要や理念、ミッション、バリュー、スピリット、スローガンを聞かされた。
そして、事務員の責任の全てを聞かされ、静香は来年春に退職する川井の後がまが勤まるのかビビり出した。
そして、 所長のミスとは、どんな事なのかも詳しく聞かされた。
事務員と営業職員のミスを所長も一緒に被ると言うことだ。
それほど、ミスは厳しい。
「まず、基本給は所長と事務員はありますから心配しないでくださいね。
マイナスの話はプラスされる能力給が減るだけです!
それによってボーナスが変動します。
所長は店舗長なのです。
半分は社員ですが、後の半分は自分の裁量1つでその営業所は大きくもなるし、小さくもなるのです。
1人1人の性格や行動を把握して、人材育成及び、リクルートが所長の仕事です。
全国1位の所長の年収は3000万円もあるのですから、そこの経費は桁違いです。
でも、最低の所長は年収400万円って、人もいるのです!
まあ、リクルートもできなくて、契約も余り上がらなく営業マンが2人なんて所もありますが、そんな所は来年は営業所事態が無くなり、近い営業所と合併して、所長は営業マンに戻ることになるという所も実際にあります。
まあ、関東信越地方のここの地区はそんな所長は居ませんので安心してくださいね。
なので、所長の足を引っ張る事務員には成り下がらない事です!
いいですか?良く聞いてくださいね!
へまばかりしていると能力給が付きませんし、ボーナスも減給になります。なので、今日の事務員達との差が付くだけです。
余り酷い場合は解雇されますので、ミスしないように先輩に何でも聞いて半年後には1人前の事務員に育ってくださいね。
でも、メガティブな事ばかりではありません!
その月がミス0の時は、能力給がぐんとアップします。
また、3ヶ月はたとえミスをしても減給にはなりませんので大丈夫です。
この3ヶ月で覚えてしまいましょう。
前向きの人達ばかりですから、出来ます!
頑張ってくださいね。それでは、今日はここまでです。
お疲れ様でした。」
静香達はやっと、新人研修の1日目が終わり解放された。
「わー。終わったー。ホテルに戻る前に少し羽目を伸ばしてカラオケでも行く?」
そんな言葉がチラホラあちこちで聞こえてきた。
『え?カラオケ?皆ホテルに泊まってるの?』
静香が独り言をボソっと言った。
「山梨、新潟、長野、栃木、群馬、の人達は朝9時にここに日帰りでは無理でしょ?(笑)
その人達は今日から泊まりで研修受けてるわ?」
後の席の夏目が静香に言った。
「あ。そうよね。」
隣の水戸営業所の加藤も話に加わった。
「岡野さんはいいわね。仕事先は柏でも自宅は茨城でしょ?駅は土浦だから電車の本数が沢山あるから、羨ましいわ。
私は水戸だけど、自宅は常陸太田なのよ。
だから、特急では帰れないし、ここから今から2時間半はかかるから…明日から6時の電車で来ないとね…しんどい…子供が小さいから宿泊研修なんて、私は出来ないのよ!
じゃあ。お先に!」
「お疲れ様でした。」
静香もカバンを片手に帰ろうとした。
「ねえ?岡野さん?少しお茶する時間ある?」
夏目が静香を誘ってきた。
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