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489. 迎えに来ていた飯田と
土浦駅に停車すると
「じゃあ。4日間お世話になりました。」
静香が椅子から腰をあげると、加藤が
「それじゃ、今度はメールでね♪」
静香は加藤に手を振ると、電車を降りた。
階段を上がって行くと、見覚えがある後姿が静香の目に入った。
「尚ちゃん?」
振り向くと、笑顔の飯田がそこにいた。
静香は小走りに飯田に近づいた。
「どうしたの?今日はお休みなの?」
「ああ。金曜日はテストがあるって聞いたからさ。いつもより早く帰ってくるってメールくれたろ?」
「うん。そうだけど…迎えに来るってメール無かったからビックリしたー!」
「静香にメールしたら、水戸の同期と電車が一緒って聞いたからさ。
静香は顔に出るから、そわそわしてるのわかって、同期に言われると又あたふたするだろ?
だから、何も言わずに待ってた(笑)」
「もう。尚ちゃんったら!
まあ、そうだけどね。メールくれなくて良かったかも。
水戸の同期は感が鋭いのよ!
お迎え来てくれてありがとう♪」
「なあ。少し、俺に時間くれる?
俺の車でそこまで行こう♪」
時間はいつもより1時間は早かった。
静香は頷くと、飯田の車に乗った。
「そこまでって?何処?」
飯田は静香の頭を撫でて、
「わかってるくせに。人気の無いところ。
本当はラブホに行きたいんだけどさ。
そうも行かないだろ?
俺の車という"ラブホ"さ。」
静香は試験の頭で、飯田の気持ちをわかってやれなかったから、急にドキドキし始めた。
夕方のヨットハーバーの駐車場は車が無かった。
「静香。後ろに乗ってくれる?」
静香は黙って頷き、靴を脱ぐとカーテンを開けて後に行った。
「あら。シーツ変えたの?」
「ああ。夏だからな。今日から、おニューだ。
今は月に一度位しか釣りに行って無いからさ。
大ちゃんも乗せないから、車はいつも綺麗だ。
この頃、あの事が懐かしいなあって思っているよ。」
飯田がそう言うと、ベッドにしたシーツの上に座っている静香を優しく倒していく。
「もう、俺、我慢できなくてさ。それが本音で静香を迎えに来たんだ。」
「尚ちゃん…ごめんね。大洗と柏では距離ありすぎるね。」
「別に静香の家が遠くなった訳じゃない。
俺がお袋と離れたくて大洗に行ったまでだ。
俺の休みは金曜日なんだ。たまに土曜日も休みになるけどな。
金、土、日は学生がバイトに入るから、正社員の俺達は交代に休めるんだ。
俺の店より体は楽だから、右腕は悲鳴をあげないから転職して良かったと思っているよ!」
「尚ちゃんがいいなら良かったわ。」
「うん。何処にいたって、静香がいるから俺はいつも幸せなんだ。」
飯田はそう言うと、静香のブラウスのボタンをはずしていった。
「久しぶりだな。車でのH。」
飯田の口づけは情熱的だ。吸い込むように舌を絡ませてくる。
静香はその情熱で、全身が感じて気持ち良くなっていく。
「静香のここ。スッゴク濡れてる。もう、恐怖心は無いだろ?」
飯田の指も良くなったようだ。
いつもの飯田に戻っていた。
「あ…あぁア~。尚ちゃんの指が…
いつもより感じる~はぁん。ダメ…
あ…アあぁ~。」
「そっか?たんぽのお陰だな(笑)」
「タンポン?え?」
「アハハ。そっちのタンポンじゃないよ!
秋田名物の"きりたんぽ"だよ(笑)
ご飯をこねて棒に巻いて鍋に入れるやつ!
きりたんぽに似てるから、あっちもタンポンって言うんだな(笑)なんて思っちゃったよ。
こねてると、静香とのHを思い出すんだ。俺って、変態だよな(笑)」
*違いますけど!ね。本当の意味。
「タンポン」の語源はドイツ語「tampon」。
手術の際に血液を吸収させる丸めた綿も「タンポン」と呼ぶから、経血の吸収のためのものは「生理用タンポン」というのが正式な名称。
日本には1970年代に輸入されてきたそう。
エジプト時代の女性も使っていたというから、長い歴史を持っている。
だから、生理用タンポンと秋田名物のたんぽは全く別物!!
きり‐たんぽ【切りたんぽ】
(「たんぽ」は形がたんぽ槍に似ているところからという)
炊きたての飯を擂鉢すりばちに入れて餅のようにつぶし、杉串に円筒形にぬりつけて焼きあげたもの。
「とにかく、指が元に戻りつつあるからさ。
静香に試してみたくて仕方なかったんだ!
それが一番の本音だよ。そろそろ本番行くよ?ゴム付けるね。」
ヨットハーバーの周りが夕焼け色に染まっていた。
ギシギシと車が揺れる。カーテンで見えない車中での2人はお構い無しで、頂点を達した。
エンジンはかけっぱなしで、エアコンを入れているが、車中は抱き合う2人の熱気で暑かった。
「うわ~。シャワー浴びてえ!」
2人は体を拭くシートを沢山取り出し、拭きっこした。
「来週はお盆だな。旦那も帰ってくるんだろ?
だから、次の週の金、土って泊まるコース出来るかな?
俺、2日間休みなんだ。
お盆前後の8月は釣りも出来ないしさ。ダメ?」
静香は又、嘘を考える事にした。
「うん。わかった。どうにかするわ。」
「ありがとう。楽しみにしてる。」
飯田は車を走らせると、静香の車がある駐車場に静香を降ろすと帰って行った。
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