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498. 疲れたディズニーランド
ディズニーランドは夕方4時からの部も、お盆とあって駐車場が混んでいた。
「すごい人ね〜。夕方からもこんなに遊びに来る人がいるのね〜。」
「お母さん。降りたら、駆けるからね!!
今日は反対周りだよ!
カリブの海賊に行って、汽車に乗ったらビックサンダーマウンテンだからね!」
憲一は前におばあちゃん達と一緒にディズニーランドに行ったときの地図を大切に持っていた。
だから、頭の中に何処に何があるのか暗記していたのだ。
それを勉強にあててたら、学校では秀才憲一になったいたのにね(笑)
静香と旦那は憲一に手を引っ張られながら、次々に場所を移動した。
「早くビックサンダーマウンテンに乗らないと6時からのパレードが見られないよ〰!
お母さん!早く早く〰!」
「去年まではお父さんが憲一の手を引っ張って乗り物に乗ったのに…今年は憲一に手を引っ張られながらで…子供の成長は早いなあ。
まいった、まいった!」
旦那と静香は苦笑いしながら、憲一の後を追った。
パレードを観終わる頃はもう、辺りは暗くなっていた。
「シンデレラ城に行ったら、夜ごはんは何処で食べるの?」
静香は旦那に聞いた。
「ホテルのディナーは頼んでいないんだ。
チェックインは10時だから、それまでに行けばいいからな。
だけどもう、足が痛いよ。草刈り2日間やったから体が悲鳴をあげてるよ〰。」
「お父さん?まだまだ時間あるからね!
まだ、キャプテンEOも観てないし、スペースマウンテンも乗ってないからね!
レストランで休めば、足は治るよ!」
もう、親達はくたびれて一歩も歩けないでいた。
パレードが終わると帰るお客が多く、スムーズに何でも乗り物は乗れる状態だったが、憲一以外はレストランでゆっくりしたら、ホテルに行きたかったくらいだった。
場内のレストランは本当に高い。
仕方ないけどね。
そんなことを思っているすきに、旦那はビールを飲み始めてしまった。
「お父さん?ビールは一杯だけだよ?
次に行けなくなるでしょ!!」
憲一の言った通りになり、旦那をレストランに置いて、キャプテンEOは2人で行くことになった。
「お父さんがいけないところはビール飲み始めると、そこから動かなくなることだよね!!」
「お母さんは飲まなくても、もうへとへとよ〰。」
憲一は、静香の背中を押しながらキャプテンEOの会場に向かった。
なんだかんだ言って、絶対に行きたかった憲一の執念を感じた静香達だった。
帰りにお土産コーナーに寄って、ホテルまでの車の運転は静香に託された。
途中、一方通行のところがあり、遠回りしたのだ。
それは、酔っ払った旦那の道案内だからだった。
なので、ディズニーランドから10分で着くのに、倍の時間がかかり、ホテルに着いたのは9時半過ぎだった。
チェックインをして、部屋に案内してもらうと旦那はベッドにダイブしてそのまま寝てしまった。
仕方なく、酔っぱらいの旦那をそのまま寝せることにした。
静香達はお風呂に入って、各々のベッドに入り、爆睡した。
旦那が朝、シャワーを浴びた。
シャワーの音で目を覚ました静香は、時計を見ると8時過ぎていた。
すると、旦那がお風呂から出て来た。
「俺さ。昨日このホテルに着いてベッドに寝たの記憶にないんだ(笑)」
「え?よっちゃん?ここのホテルを案内しながら来たの覚えて無いの?」
「へえ。俺が案内したの?」
「やーだ。カンナビ、感ナビなんて言って間違わないで教えてくれてたわよ?
まあ、一方通行でグルって回って行ったけどね。」
「俺が?カンナビなんて言ったのか?」
そこへ憲一も起き出して
「お父さんは酔っ払うと志村けんになるんだよね。
だいじょうぶだ〰。道は繋がってる〰。なんて言ってさ。
ナビは無いけど、カンナビは俺は持ってる〰。なんて言ってたよ?」
「え〜。そうなの?凄いな!俺!
あ。それからさ。静香と憲一は帰りは電車で帰ってくれるか?
俺はこのまま社宅に戻るからさ。
高速の渋滞に巻き込まれると今日一日かかって社宅に帰る事になるからさ。ここから往復は辛いよ。」
そうよね。そのほうがお互いいいかもね。
お土産は昨日宅急便で送ったものね。
静香はすぐにわかったと返事をした。
「お母さん?このまま電車に乗って帰るのつまらないよ〜。」
憲一はまだ朝の8時なので、今日も一日遊びたかった。
「それじゃさ。電車でお台場まで行ってフジテレビでも見学してくるか?
近くにもゲームするところも沢山あるしさ。」
「うん!行く〰!」
朝ごはんをビッフェで食べて、旦那に駅まで乗せてもらうと、そこで旦那とわかれた。
憲一は何もかも初めての体験で、嬉しいお盆休みとなるのだった。
静香にとっては、ただただ疲れた盆休みだった。
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