518. 次の日同級生に会って

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518. 次の日同級生に会って

9時には静香の車が駐車している場所に戻ってきた。 「じゃあな。また来週な。 再来週は旦那が帰ってくるんだろ? 3週間も会えないの我慢できないからさ。 絶対来週会おうな! …でも、今度は違うラブホ行こうな。 あそこの日替り定食はがっかりしたよ。 あれさ。レトルトだったもんな。 今度さ。俺、昼間作って持ってくるよ♪ 俺の手作り弁当もたまにはいいだろ?」 「え?尚ちゃんが作ってくれるの? 嬉しい〜。うん。楽しみにしてるね。 じゃあ。また、来週ここでね♪」 フレンチキスをすると、飯田は帰っていった。 静香は飯田に抱かれた余韻に慕っていた。 飯田に抱かれると、さっきまで悩んでいた事が消えてしまうのだ。 やっぱり、飯田無しでは生きられないと しみじみ思う静香だった。 ……母親が寝る頃帰らないとね。 また、シャンプーの匂いがしたら今度こそ絶対に怪しく思われるものね。 夕飯を食べたことは言ってあるから、玄関を開けたら直ぐにお風呂に入る行動しちゃおう。 家に着くと案の定、リビングの明かりがついていた。 「ただいま〰。疲れた〰。お風呂に入りたい〰!」 静香は急いでお風呂に向かった。 「お帰りなさい。大変だったわね。」 「うん。月末と月始めの金曜日は忙しいの! ごめんね。憲一は寝たの?」 「ええ。9時すぎには寝せたわ。 私も今、寝ようとしてたの。」 「お母さん?お母さんは普通の体じゃないんだから先に寝てね? 残業の時はご飯奢ってもらえるから。 私の事は気にしないで!」 母親は苦笑いの顔をして 「静香が帰るまで心配なのよ。 事故なんて起こしたら…って思うとね。」 「大丈夫よ。車も点検してもらってから調子はいいし、とにかく一度大きな事故を起こすとお母さんが思う以上に私は運転を注意しているの。 ありがとう。お母さん。先に寝てね。 お風呂に入っちゃうね?」 「おやすみなさい。お先にね。」 今日の母親の顔色は良かった。 この頃、たんぱく質を多く採っているからかな?って思った。 このまま、母親の内臓も落ち着いて良くなっていったらいいなと思う静香だった。 飯田に昨日の金曜日の夜会ったから、土日は家でゆっくり出来る静香だった。 飯田は毎週金曜日が休みの日で、月に2度土曜日も休めるのだった。 約束した来週は飯田は2日連休だ。 『来週の残業はもう少し遅くなるってお母さんには言っておこう。 心配しないで寝ててねって…ちょっと罪悪感半端ないけど…尚ちゃんに会いたい気持ちが勝ってしまうんだよね。』 もうすぐ9月。ゆっくり出来る2日連休は静香も嬉しかった。 そして、憲一は夏休みの終わりが近づいた。 「お母さん!絵具の黒がなくなっちゃった〰️。 買ってきてよ〰️!」 「え?今頃夏休みの絵を書いてるの?」 「だって!絵は1枚じゃないんだよ! ポスターがあるんだ。文字を書くから黒がなくなっちゃったの! 僕、絵は得意じゃないからどうしても後回しになっちゃうんだよ〰️。 あーあ。明日で夏休みも終わりだ〰️。つまらないなあ。」 憲一はぶつぶつ言いながら、静香に絵具を頼んで部屋に戻っていった。 「そこの文房具屋さんに売ってるわよね?」 静香は仕方なく車を走らせた。 5分も走ると学校の近くに文房具屋はある。 すると、もう一台車が駐車した。 2人同時に車から降りた。 「なんだ。ウサギか?(静香のあだ名) お互い近くに住んでいるのにめったに会わないよな(笑)」 にやけた顔で静香に近づいてきた。 「あ。佐藤君?」 旦那が小、中学校の同級生。そして、静香が小、中、高校とずっと同じ学校の同級生だ。 静香は出来れば会いたくなかった同級生だった。 何を言われるかわかったもんじゃないからだ。 この間の高校の同窓会に欠席したから、何も知らないわよね? 静香は同窓会には触れないように話を持って行きたかった。 「お子さんは1年生になったんだよね? 今日は何を買いに来たの? 私は息子の夏休みの課題のポスターを今日書いていて、絵具の黒が無くなって買ってきてって頼まれたのよ(笑)」 静香がそう話すと 「ハハハ。どこも似たり寄ったりだね。 俺も今頃夏休みの作品作るのに、セメダインが無くなって頼まれた(笑) 俺も昔同じように夏休みの宿題は後回しにしてたから、ギリギリ宿題やってたの思い出してさ。息子の事攻められないよな〰️。」 静香も自分の昔を思い出して、苦笑いした。 「そう言えばさ。同窓会の事よっ子から聞いたけど、ウサギも欠席したんだってな? 俺も義父の容態が思わしくなかったから欠席したんだけどさ。 結局、亡くなって…そのまま一週間向こうに居っぱなしだったんだけどさ。」 「そうなの…それは大変だったわね。」 え?よっ子って。あの良子の事よね? 静香は嫌な予感しかしなかった。 訂正前の話を言われるのか。訂正後の話を言われるのか。 静香はこの場を直ぐに立ち去りたかった。 もう、これ以上嘘の言い訳をしたくはなかったのだ。
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