532. いかさまマリオ?

1/1

278人が本棚に入れています
本棚に追加
/675ページ

532. いかさまマリオ?

「よし!ここら辺でいいかな?」 守(ルイージ)は沖へ出ると、魚がいそうな所にクルーザーを停めた。 「まずは腹ごしらえだな。 長丁場になる。9月に入ってもまだ暑い。 熱中症にならないように、食べてから大会は開始する! 尚人?朝飯はなんだ?」 マリオが飯田に聞いた。 「朝飯は握り飯だ。昼にちゃんこを振る舞う。」 飯田はそういって、皆に色々な具のおにぎりを選んでもらうように、お盆に入れて回した。 「後、カップに入れたから揚げがおかずだ。」 コンビニで見かけるようなカップに飯田が作った唐揚げが入っていた。 「おお。上手そうだな。なんて言ったって尚人はプロ料理人だからな。」 マリオも大介も守も沢山入っている唐揚げを選んでいた。 「飲み物も、バケツに氷入れて冷やして置いてあるから、好きに飲んでくれ。」 「いいなあ。1年ぶりの釣りなんだよ〰️。 皆で出来る日が来るなんて、嬉しいなあ!」 憲一はおにぎりを頬張りながら、満面の笑みで皆に言った。 「ハハハハ。そうだな。多分、ケン坊がメールくれなかったら、4人で集まる事はなかったかも知れないな(笑) ケン坊。ありがとな!」 「え?4人でいつも釣りをしていたんじゃなかったの?」 「ああ。大ちゃんは雀荘で働いているから、日曜日の朝の釣りは一抜けたんだ。 俺は不動産が忙しくて、釣りに行く暇が無くなったんだ。 たまに近くの釣り掘りでストレス解消してるよ(笑) 守はプロだからな。毎日釣りをするのは仕事だからな。 だから、邪魔をしたくないんだよ。 尚人だって、ちゃんこやは夜中までやってるから、土曜日は寝ないで釣りしないと出来ないしな。」 「え?マリオ?今日は尚ちゃんは寝てないの?」 そこに飯田が 「憲ちゃん?好きな事は寝なくても大丈夫だよ。 終わったら明日は休みだから。俺は優勝目指しているからね! 負けないよ。憲一!」 「僕も負けないからね!」 「よし!食べ終わったから始めるぞ!」 「お〰️!!!」 さあ!いざ、勝負だ!!! 6人はルアーを海に投げた。 そして、もう1つの釣竿でサビキ釣りも始まった。 「あ!尚ちゃんはサビキ釣りをするの? ズルいよ〰️。僕もやりたい〰️!」 「ハハハ。そう言うと思ったよ。ほら、俺の予備用のサビキ釣り竿を貸すよ(笑) フェアじゃないもんな!」 「うん!ありがとう。お母さんは?」 「お母さんはいいわ。ルアー1本で! 憲一が沢山釣ったら、このクーラーボックスに入り切れなくなるでしょ?(笑)」 「そっか。ん?お母さんは大物狙ってるんでしょ?ルアー1本で!」 「フフフ。バレた?そうよ。大物釣って、マリオの賞金貰うんだから! 憲一は量で勝負すれば?17匹もハンデ貰ったんだかさ♪」 「社長?今日は海が温かいかいから、大物は来ないよ? 俺は量で勝負するつもりだよ。 ここの下はアジとサバがとぐろ巻いてるよ! だから、沢山取れるはずなんだよ。」 「え?サバか〰️。僕はサバアレルギーだからなあ。 沢山釣っても食べられないんだよな〰️。」 「え?憲一はサバアレルギーなのか? そっか。それじゃ、沢山サバが取れたときは買ってあげるよ。」 「え?いいの?尚ちゃん。ありがとう。」 飯田の一言でお金になるとわかった憲一はサビキ釣りに熱くなった。 停まったクルーザーの真下は本当に魚がうようよいた。 小さなアジとサバがいくらでも取れた。 賞金が付くとなると、いつもより増して真剣に海と向き合う6人だった。 1時間は過ぎた頃、 自分のバケツにいっぱいの魚達を見たマリオは 「よし!ストップだ!数の勝負はここまでだ!一旦休憩〰️!!」 小さなアジやサバは売れないとわかっていた。 ましてや死んでしまった魚を海に帰すことも出来なかったからだ。 沢山取りすぎると、処分に困るから、早めに止めた。 マリオが一人一人数をチェックしていった。 「大介が全部で39匹。守が43匹。尚人が46匹か。 どれどれ、ケン坊は?お!30匹も釣れたのか? ハンデは17だったよな? ケン坊が今のところトップだぞ! お母さんは?」 「お母さんはルアー専門だよ?まだ、3匹しか釣れてないよ? ヘヘヘ♪僕が優勝だね♪」 憲一が自慢気に静香に向かって言った。 「憲一?喜ぶのはまだ早いわよ?」 「え?なんで?」 「マリオの魚の数をまだ数えていないでしょ?」 「え?だって、マリオは賞金くれる側だから、数に入れないでしょ?」 「ケン坊?始めに言ったの聞こえなかったのか? 6人の中で一番多かった魚の数の優勝者と一番デカイ魚を釣った優勝者の2人に賞金を与えるって言ったろ? 俺も含まれてるぞ? もし、俺の場合は賞金出さなくて済むだけだよ(笑)」 「え〰️!!そうなの?だったら、マリオが優勝じゃん〰️!! ほら!バケツから魚が飛びだしてるじゃん!!」 憲一がマリオの釣った魚の多さに、バケツを指差して叫んだ。 憲一がマリオのバケツの中の魚を一匹ずつ数えだした。 数えているうちに嫌になるほど、小さな魚ばかりだった。 「マリオ?何?この小さな魚!何かの稚魚だよね?」 「これはシラスじゃないか? マリオ?企んだな!サビキ釣りと網を使ったろ!」 「あ〰️!マリオがズルした-!」 「なんだよ!これじゃ詐欺だ! 違反者だからな!マリオは失格!」 大介も騒ぎだした。
/675ページ

最初のコメントを投稿しよう!

278人が本棚に入れています
本棚に追加