533. 優勝は?

1/1

278人が本棚に入れています
本棚に追加
/675ページ

533. 優勝は?

「ハハハ。始めにルールは決めてなかったぞ? お前達がちゃんと細かいルールを協議しなかったのが悪いんだぞ! 全く!大介までも俺を詐欺なぞ抜かしやがって!」 憲一はマリオの企みに怒りが込み上げて、泣き出した。 「マリオのバカ〰️!!優勝したかったのに〰️! こんなんじゃ、マリオに勝てる訳無いよ〰️。 わ〰️ん💦」 憲一の泣き声にマリオもタジタジだった。 「兄さん?一番多く釣った人って言ったよな? 網で釣るとは言わないよな? 日本語だと、網ですくう、だろ?」 「ハハハ。そうだな。守!お前の勝ちだ。 わかった。俺は失格でいいよ。 優勝はケン坊だな! ケン坊?もう、泣くな!機嫌直せよ?な?」 マリオは憲一の手に金一封の祝袋を渡した。 憲一は泣き止んで、祝袋の中を開けてみた。 「あ!2万円も入ってる〰️! マリオ!ありがとう〰️!」 憲一の泣きべそが笑顔に変わった瞬間だった。 そして、憲一は守に1万円を渡した。 「ありがとう。ルイージのお陰だよ。 帰りに皆で飲むんでしょ? 飲み代の足しにしてね♪」 「お!いいのか?ケン坊?ケン坊は大人の男だね♪ 早く大きくなれよ! 成人式は皆でドンチャン騒ぎしような♪」 「うん!約束だよ!成人式の時には皆に祝ってもらうからね! ルイージも奨金稼ぎ王になっていることを祈ってるね♪」 「奨金稼ぎ王か〰️。いや~。嬉しい事言ってくれるよな。 今の俺はスランプだったから、ケン坊の一言でがぜんやる気出て来たな! よし!次は大きさで競うんだよな! 兄さん?何時まで競うんだ? 釣り竿はカジキ釣りのでいいのか? 今度は協議して、競わないとな! ズルはご法度だからな。」 「よし!カジキ釣りの釣り竿は使わないこと! プロの守には誰も敵わないからな。 基準はケン坊のお母さんと同じにしよう。 フェアじゃなくなるからな。」 マリオが静香を指差して言った。 「おう!それじゃ何時までだ?」 飯田が質問した。 「お昼にちゃんこ鍋にするんだから11時に終了にしようか!」 「よし!!2時間だな!今度は俺が優勝だ〰️!」 大介の声で、ゴングが鳴った。 皆、無口になって、釣りが始まった。 9時過ぎると、太陽がジリジリと暑くなってきた。 皆、タオルを日除けするために、帽子のしたに被った。 日差しが海の表面をキラキラと輝かせ、光が反射してくる。 男性達はサングラスをかけた。 それを横目に憲一が 「うわ〰️。危ないデカみたいだ〰️!」 と、叫んだ。静香が 「7人の刑事みたいでカッコいい♪」 「お母さん?4人だし、刑事と言うよりビー・バップ・ハイスクールを卒業した超悪おじさんだよ~。 」 憲一が笑いながら言った。 「ん?ケン坊?誰がおじさんだって?」 大介が聞き捨てならないとばかりに憲一を睨んだ。 「えっと。おじさんじゃなくて、超悪お兄さんだね💦」 大人達に睨まれて憲一は焦って訂正した。 「ハハハ。憲一から見たら俺達はおじさんだろ? だって、憲一のお母さんだって、憲一の友達が見たらおばさんだもんな?(笑) 大ちゃん。俺達はいつまでもお兄さんじゃないよ。 おじさんだ。だけど超悪おじさんだから、カッコいいんだぜ♪」 「そうだな。社長がおばさんだもんな。 俺達もおじさんか〰️。26歳だもんな〰️。」 「大介?俺なんて20歳前から子供達は俺をおじさん扱いしてるぞ! だから、あだ名のマリオでいいからな!って言ってやったんだ。(笑) 守はケン坊のお陰でルイージと言われて定着しているんだ。 俺達兄弟はカッコいいあだ名だろ?(笑) マリオシリーズが世に出ている限り、俺達のあだ名も永遠にマリオブラザーズだ(笑)」 4人をおじさん扱いしてしまった憲一の顔に笑顔がもどった。 その時である。 「うわ〰️。何なの〰️。引っ張られる〰️!!」 静香が叫んだ。 飯田が自分の釣竿を置くと、静香に駆け寄った。 「大物か?社長!貸してみろ!」 飯田は静香の釣竿を掴んだ。
/675ページ

最初のコメントを投稿しよう!

278人が本棚に入れています
本棚に追加