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533. 優勝は?
「ハハハ。始めにルールは決めてなかったぞ?
お前達がちゃんと細かいルールを協議しなかったのが悪いんだぞ!
全く!大介までも俺を詐欺なぞ抜かしやがって!」
憲一はマリオの企みに怒りが込み上げて、泣き出した。
「マリオのバカ〰️!!優勝したかったのに〰️!
こんなんじゃ、マリオに勝てる訳無いよ〰️。
わ〰️ん💦」
憲一の泣き声にマリオもタジタジだった。
「兄さん?一番多く釣った人って言ったよな?
網で釣るとは言わないよな?
日本語だと、網ですくう、だろ?」
「ハハハ。そうだな。守!お前の勝ちだ。
わかった。俺は失格でいいよ。
優勝はケン坊だな!
ケン坊?もう、泣くな!機嫌直せよ?な?」
マリオは憲一の手に金一封の祝袋を渡した。
憲一は泣き止んで、祝袋の中を開けてみた。
「あ!2万円も入ってる〰️!
マリオ!ありがとう〰️!」
憲一の泣きべそが笑顔に変わった瞬間だった。
そして、憲一は守に1万円を渡した。
「ありがとう。ルイージのお陰だよ。
帰りに皆で飲むんでしょ?
飲み代の足しにしてね♪」
「お!いいのか?ケン坊?ケン坊は大人の男だね♪
早く大きくなれよ!
成人式は皆でドンチャン騒ぎしような♪」
「うん!約束だよ!成人式の時には皆に祝ってもらうからね!
ルイージも奨金稼ぎ王になっていることを祈ってるね♪」
「奨金稼ぎ王か〰️。いや~。嬉しい事言ってくれるよな。
今の俺はスランプだったから、ケン坊の一言でがぜんやる気出て来たな!
よし!次は大きさで競うんだよな!
兄さん?何時まで競うんだ?
釣り竿はカジキ釣りのでいいのか?
今度は協議して、競わないとな!
ズルはご法度だからな。」
「よし!カジキ釣りの釣り竿は使わないこと!
プロの守には誰も敵わないからな。
基準はケン坊のお母さんと同じにしよう。
フェアじゃなくなるからな。」
マリオが静香を指差して言った。
「おう!それじゃ何時までだ?」
飯田が質問した。
「お昼にちゃんこ鍋にするんだから11時に終了にしようか!」
「よし!!2時間だな!今度は俺が優勝だ〰️!」
大介の声で、ゴングが鳴った。
皆、無口になって、釣りが始まった。
9時過ぎると、太陽がジリジリと暑くなってきた。
皆、タオルを日除けするために、帽子のしたに被った。
日差しが海の表面をキラキラと輝かせ、光が反射してくる。
男性達はサングラスをかけた。
それを横目に憲一が
「うわ〰️。危ないデカみたいだ〰️!」
と、叫んだ。静香が
「7人の刑事みたいでカッコいい♪」
「お母さん?4人だし、刑事と言うよりビー・バップ・ハイスクールを卒業した超悪おじさんだよ~。 」
憲一が笑いながら言った。
「ん?ケン坊?誰がおじさんだって?」
大介が聞き捨てならないとばかりに憲一を睨んだ。
「えっと。おじさんじゃなくて、超悪お兄さんだね💦」
大人達に睨まれて憲一は焦って訂正した。
「ハハハ。憲一から見たら俺達はおじさんだろ?
だって、憲一のお母さんだって、憲一の友達が見たらおばさんだもんな?(笑)
大ちゃん。俺達はいつまでもお兄さんじゃないよ。
おじさんだ。だけど超悪おじさんだから、カッコいいんだぜ♪」
「そうだな。社長がおばさんだもんな。
俺達もおじさんか〰️。26歳だもんな〰️。」
「大介?俺なんて20歳前から子供達は俺をおじさん扱いしてるぞ!
だから、あだ名のマリオでいいからな!って言ってやったんだ。(笑)
守はケン坊のお陰でルイージと言われて定着しているんだ。
俺達兄弟はカッコいいあだ名だろ?(笑)
マリオシリーズが世に出ている限り、俺達のあだ名も永遠にマリオブラザーズだ(笑)」
4人をおじさん扱いしてしまった憲一の顔に笑顔がもどった。
その時である。
「うわ〰️。何なの〰️。引っ張られる〰️!!」
静香が叫んだ。
飯田が自分の釣竿を置くと、静香に駆け寄った。
「大物か?社長!貸してみろ!」
飯田は静香の釣竿を掴んだ。
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