537. 露天風呂のラブホで

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537. 露天風呂のラブホで

「今日は違うホテルに行こう。土浦も結構ラブホが建ち並んでいるけど、ビルのホテルばかりだな?」 「そうね。やっぱり町外れまで行かないと一軒建てのホテルはないかもね。 いわゆる、昔からのモーテルってやつね。」 常磐道が下に通る橋を渡ると、ホテルの看板が見えてきた。 「よし。ここに入ろうか。」 派手なライトが煌びやかに光る門をくぐった。 ここは、一軒家のアパートのように駐車場が一軒建ての隣にあった。 駐車場が空いている所が空席っていう事だ。 駐車場が空いていても、バーケードが立ててあるところはタクシーで来ているって事だった。 一番奥の値段が高い所だけ空いていた。 「月曜日から皆さんお楽しみってことなんだな。 同じ会社の同僚って事なのかな(笑)」 飯田の車はそこに駐車した。 ドアを開けると丸いベッドがあった。 「スゲー。回転ベットだ。それもウォーターベット。」 静香はお風呂を確認した。 「え?尚ちゃん?露天風呂ってなってるよ?え?サウナもあるみたい。」 それを聞いた飯田はサウナを見るなり 「静香?何時まで居られるの?」 多分、飯田はサウナに入りたいのだろう。 ここは、7時過ぎての来店はお泊まり料金だから、時間は気にしなくていいのだった。 「そうね。遅くてもここを10時には出たいかな。」 「そっか。今7:30だから2時間半だな。 静香?30分だけサウナに入るから、静香は露天風呂に入ってる?」 静香は頷いて、露天風呂とやらを入ってみた。 料金が高いだけあって、本格的な露天風呂だった。 3人は入れるような石を積み重ねて出来ているお風呂だった。 回りは竹の柵で囲ってあって、風情あるこじんまりした露天風呂だ。 お風呂の外にリクライニングできる藤の椅子が置いてあった。 そして、一人用のお風呂もあった。 そこは水風呂だった。 静香は露天風呂から出るとそこに座って、空を見ていた。 雲り空で星は見えなかった。 すると、飯田がサウナから出て来た。 「いや〰️。ここのサウナは本格的なサウナで90度まで上がったからからだが火照る〰️」 「尚ちゃん?こっちが水風呂よ?」 「うわ~。助かる〰️♪」 飯田は水風呂に入って火照った体を一気に冷やした。 「尚ちゃん。私は又お風呂に入るからこの椅子で休んだら?」 「サンキュー~。」 水風呂から出ると一気に疲れが出る。 そのためのリクライニングの椅子のようだった。 その時、ポツポツと雨が降ってきた。 「尚ちゃん?雨が降ってきたわ。 私は先に出るね。」 飯田が静香の腕を掴んで 「どうせ濡れてる体だよ?そんなに慌ててどうするの? なあ?雨の中でやってみるのもおつだぞ?」 飯田にお風呂の中に連れ戻されて、立ちながらキスをされた。 そして、耳から首へ、そして乳房へとキスが移動していく。 そして、飯田の2本の指が静香の蜜壺の中でGスポットを探り当てられる。 静香は立っていられない位、体に電流が走るのだった。 もう、雨が強く降りだしているのさえ忘れる位だった。 「なあ?バックでやろう? ちゃんと外に出すからさ。」 遠くの空の雲が稲妻で光った。 「いいねえ。俺は稲妻が光るともっと燃え上がるよ。 静香?いくらでも声出していいからな。」 ゴロゴロと空が鳴る。雨が強く降る中で 2人はそんなこともお構い無しで、夢中でセックスを感じていた。 後にも先にも露天風呂での台風前の稲妻で光る中、雨に打たれながらのセックスを味わう事はなかった。 静香には一生忘れたくても、忘れられない思い出だった。 2人で中に入ると室内のシャワールームで、雨に打たれた体をシャンプーするとすでに9時半を回っていた。 「静香。髪を乾かして帰ろう。 ウォーターベッドで回転しながら楽しみたかったけど、俺が限界かも知れない(笑) 多分、そのまま寝てしまう。 帰りの運転のエネルギー残しておかないと、大洗まで帰れないからさ(笑) 朝帰りは出来ないしな。台風近づいているから、洪水で帰れないなんて事になったら大変だ。」 静香も焦っていた。途中、すぐに洪水になる箇所があった。 2人は身支度をすると、ラブホを後にした。 静香の車がある駐車場に近づくと 「気をつけて帰れよ?結構な雨量だから洪水しそうな所は行くなよな?」 静香は頷いて 「尚ちゃんもアパートに着いたら必ずメールちょうだいね!」 「おう!」 2人はフレンチ・キスをすると静香は車から降りた。 ここは立体駐車場だから、雨に濡れなくて良かった。 飯田と別れると稲妻で空が光る中を、静香は怯えながら車を走らせた。 さっきまで稲妻の中で抱き合っていた時は恐ろしさなんて感じなかったのに、一人になったら急に怖くなったのだった。 途中、警察のパトランプが目に入った。 大雨の為に洪水したらしい。 迂回しろとの事だった。 「えー。戻るの?どこまで?どっちに行けばいいのかな?」 静香は選択ミスをしたのだ。国道の方に向かえば良かったのに、線路側の道の方に向かってしまったのだった。
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