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567. 旦那と梁田の電話のやり取り
それから、何事もなく1週間が過ぎた。
「後、2週間で静香さんともお別れね。
寂しくなるわね。
でも、ずっとお友達でいましょうね♪
週末には必ずメール入れてね?
明日は旦那さんが帰って来る日ね。
体育の日があって3日連休だから、良かったわね♪」
静香は何を言われるのかドキリとした。
また、下ネタ?
「静香さんの旦那さんにも会いたいわね♪」
え?嫌よ。何を言い出すか今日子さんはわからないから!
「あら?駄目そうな顔ね?
私は口が固いから絶対に彼の話は言わないわよ?」
「だっ、だって何処で会うの?
今日子さんは車は持っていないでしょ?」
「え?駅までお迎えに来てよ。駄目?」
「いいけど…今週は篠崎所長とは会わないの?」
「孝雄さんは忙しいのよ。営業所の社員達と旅行に行くんですって。
なんだか、件数部門でトップを取れたから奨励なんですって。
だから、暇なのよ。いい?」
凄いわね。東京でトップなんて!
どこの営業所なのかしら?
これだけは決して教えてくれないけどね。
所長に聞けばいいことなんだけど、何で?なんて言われると偵察しているのか?なんて思われると困るから。
「え?ちょっと待ってくれる?
旦那に話さないと…パパさんバレーの試合があるときは帰って来られないから。」
「パパさんバレー?旦那さん?バレーをしているの?」
「ええ。高校でバレー部だったみたいで、会社員になってもバレーはストレス発散みたいで、チーム作ったみたいなの。」
「そうなんだ。スポーツマンなのね。
ねえ?夕方仕事終わるころ、連絡してみてくれる?」
うわ~。今日子さんの押し切り言葉が出た〰️。
もう、会うの強制よね?
静香達は退社すると、駅に向かい歩きながら携帯を片手に旦那に電話をした。
会社の人と今一緒に居ることを話し、その人が旦那に会いたいって言うことを話した。
「よっちゃん?彼女に変わるね。」
梁田は旦那と直接話したいと言い出し、静香は携帯を渡した。
梁田は素早くボイスに切り替えた。
「もしもし。はじめまして。
静香さんにはお世話になっています。
梁田今日子です。」
旦那はタジタジな様子だった。
「静香の配偶者です。」
なんて答えていた。
梁田はクスクスと笑いながら
「妻の携帯を借りて話しているのに、旦那さんが自分の事を『配偶者』と言う単語を使って紹介してくれたのをはじめて聞いたわ(笑)」
「あ。いや。夫…です。
あの、静香は仕事はミス無くこなしていますか?」
「ご家族皆さんは静香さんが仕事をちゃんとしているか心配で堪らないようですね(笑)
大丈夫ですよ。
私よりちゃんとこなしていますから。」
「家族の皆?」
「はい。この間会社の歓迎会で私が酔ってしまって、介抱してくれたのが静香さんでしたので、お詫びに先週食事をご馳走するからと静香さんのお宅にお迎えに行ったのですよ。
その時にもお母様に静香さんの仕事ぶりを聞かれました(笑)」
「え?あ。そうなんですね。」
「それで、静香さんの旦那さんが明日帰って来ると聞いたもので、一度お会いしたいと思いまして…」
「え?俺とですか?」
「ええ。ぜひ。」
「困ったな。明日はバレーの試合があって…帰れないんだ。
静香にそれとなくは言ったんだけど…
もし、明日の試合に勝ったら、日曜日にも試合があるんだ。
トーナメント試合だから…そしたら、今月は帰れないんだ。
静香に後で連絡しようと思っていたんだよ。」
やっぱりそうよね?体育の日でもあるもんね♪
良かった。今月帰って来ないのね?
「会社はどちらなんですか?」
「千葉です。今回の体育館は千葉市に行くんで…来月ではダメですか?」
「千葉市?あら。東京から近いじゃない?
旦那さんのバレーの試合を静香さんと観に行こうかしら?」
「え?」
静香と旦那は言葉がハモった。
「来てもいいですが、あまりお話も出来ないかと…その後、皆で打ち上げで飲みに行くので…」
「静香さん?バレーしてる旦那さんの姿を見に行きましょうよ。
旦那さんは打ち上げに行ってくださいな。
私達は電車でそのまま帰りますから。
私、バレーボールの試合見るの好きなんですよ♪
私も中学、高校って実はバレーボール部に所属していたんです♪」
「すみません。静香に代わってくれますか?」
「よっちゃん。ボイスになってるから私も今の話全部聞いてるよ。
どうしようか。」
「俺は静香が来たいなら、別に構わないよ。
試合は9時からだ。来るなら、憲一も連れて来いよ。」
「なら、決まりね♪
楽しみにしているわ。」
話は強引に決まってしまったのだった。
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