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駄目だ。
妄想が駆け巡って止まらない。
っていうか、これもまた、もったいなくて飲めないしっ、と未結はデスクに置いたままになっている、珈琲か紅茶かわからない飲み物のボトルを眺めていた。
そんな自分をチラとときどき、各務が窺っている気がする。
何故、飲まないのか?
嫌いなのか?
じゃあ、もうお前にやるのはやめようか?
と思っている気がする……。
そ、それは嫌だな。
もったいないと思う気持ちと葛藤しながら、未結が震える手でボトルを取ろうとしたとき、誰かが後ろから声をかけてきた。
企画部の松田詠人だ。
以前、波美が狙っていたが、彼女ができたと聞いて、さっさとやめたとかいう濃い系のイケメンだ。
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