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「大丈夫だ。
自分で決着つけるから」
と言いながら、詫びるように須賀にボトルを渡す。
「課長がご苦労さんさんだって気づいてるの、きっと、俺だけじゃないですよ。
課長のその妙な言動を、俺より間近で見ている宮原さんも気がついてるだろうし。
勘のいい尾上さんもちょっと察してるかも」
と言う須賀に、
「なのに、あいつは気づかないんだよな」
と各務は未結を思い浮かべ、呟いた。
「名乗ればいいじゃないですか」
「いや、LINEの中ではいい感じなのだ」
この状態を壊したくない、と言ったが、須賀は、
「LINEの中だけじゃなにもできませんよ。
その恋愛、楽しいですか?」
と言ってくる。
おい……と思ったが、未結を好きな須賀に相談してしまったことは申し訳なく、そっと、その腕にボトルを持たせた。
「いや、だから、もうこれ以上いりませんってばっ」
とさっきの宮原のように山盛りのボトルを抱いた須賀に言われながらも。
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