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「久しぶりだね冬夜」
「唯人兄さん!」
まさかの理事長自らのお迎えであった。
「冬夜が来るのが待ちきれなくてね、つい迎えに来てしまったよ」
「ありがとう唯人兄さん、理事長室に行くんでしょう?」
「うん、そうだよ。生徒が通れない道で行くから着いてきてくれるかい?」
ということで、世間話をしつつ歩く。主に兄である時雨との結婚生活の惚気、海外での仕事はどうだったか。この学園の特徴などなど。
あっという間に理事長室について、学生証やらパンフレットやらをもらう。
「ああ、そうだ冬夜。もしかしたら5月頃編入生が来るかもしれないんだ。」
「編入生?入学と合わせて外部から入る編入生ならわかるけど途中から編入生?転校生じゃなくて?」
「ああそうだ。これがまた厄介な奴でな。遠縁の子どもなんだがとにかく性格がヤバいんだ」
え。この兄にヤバいと言われる性格って何。唯人兄さんは適応力カンストするくらいにはなんでもさらっと流せる人なのに
「えー、わかった」
「うん。それと、ほんとにやばいからネットで『王道学園』って調べてみて。出てくる小説とか適当に読んでみて。自慢じゃないけどうちの学校まさにそんな感じだから。」
「お、…おう。兄さんがそこまで言うなら」
ええええなに!?マジで怖いんですけど!?
「だいたいこんなもんかな。じゃあこれ部屋のカードキーね。冬夜特待生だから明日の入学式の代表挨拶よろしく!」
うわぁ、さらっと大役決まっちゃったよ
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