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ライブは大成功に終わり、みんなは打ち上げに向かった。
「輝人、おまえはやる事あるんやろ? 打ち上げには来るなよ」
本当はこのライブの成功を、みんなと分かち合いたかった。
でも、突き放すように言った怜くんの一言が、俺の背中を強く押してくれている様な気がしてならなかった。
もしかしたら、流星と大翔が怜くんを説得してくれたのかも知れない。
「あの曲めちゃめちゃいいな! ほんまにsnowdropでやりたいと思ったよ。
おまえが家で狂ったように何回も弾くから、嫌でも覚えたわ」
そう言って笑ってくれた。
「詩もおまえの気持ち代弁して、真剣に書いたんやからな 感謝しろよ!」
別れ際、怜くんがそう言ってくれた事が嬉しかった。
俺の気持ちを認めてくれたんだと思うと、この恋を絶対に手に入れなくちゃならないと強く思えたんだ。
「じゃあ、怜くん、俺行くから」
「頑張れよ」
舞衣ちゃんとは、いつものコンビニで待ち合わせをした。
ムードもなにもないけど、告白するならこの場所しかない様な気がした。
二人が出会ったのがここだから、ここから始めたいって思った。
「舞衣ちゃん、お待たせ」
「輝人くん…」
「ライブ来てくれてありがとう」
「なんか、輝人くんじゃないみたいで、違う世界の人を見てるみたいだった ライブって凄いね」
「あれも俺やけん」
照れ臭くていつもみたいに話せない。
「そうなんだよね、凄くかっこ良かったよ」
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