このBEATに乗せて

2/21
前へ
/22ページ
次へ
「流星、そこのギター少し違うアプローチで弾いてみて」 「オーケー!」 楽器を触ってる時間がなによりも好きで、楽しくて、楽しくて、時間を忘れてしまう。 「輝人、少し休憩挟もうや」 「おっ、そやな」 俺は音楽の事となると熱が入りすぎて、周りが見えなくなってしまう。 だからこうやって、怜くんが俺をコントロールしてくれる。 俺をプロデュースしてくれているのは怜くんてとこかな。 怜くんとバンドをやると決めたとき、二人でいろんなライブハウスに足を運んだ。 上手いギタリストやベーシストは沢山いたけど、話をするとなかなか意見が合わず、一緒にやりたいと思える人には出会えなかった。 楽器全般は俺が出来るから、二人でやるって話しにもなったけど、ライブの事を考えると、やはりバンドサウンドにこだわりたかった。 結局二人で選んだのは、怜くんのもともとの音楽仲間の流星と大翔だった。 流星はギタリストにしては珍しく、あまり前に出たがらない。 クールでなにを考えてるのかわからないタイプ。 ベースの大翔はバカが付くほど真っ直ぐで天然。 二人はスタジオミュージシャンの様な活動をしていたので、技術や演奏は申し分ない。 怜くんは甘いマスクの誰が見てもイケメン。 中性的な歌声とハイトーンボイスが彼の武器。 曲調によって歌い方や声質を変えられるところ、俺のサウンドにもうひとつの楽器を乗せてくれるような、そんな彼の声がたまらなくセクシーでかっこいい。 私生活でも尊敬できる憧れの人。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

40人が本棚に入れています
本棚に追加