このBEATに乗せて

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ワンツー! 高く掲げたスティックを振り下ろし、弾き出すビートに乗って、ギター、ベースが絡まり合って行く瞬間が俺は好きだ。 俺はこのバンドのコンポーザーであり、プロデューサーでもある。 バンドではドラマーとして活動しているけど、一番得意としているのは実は作曲だったりする。 将来、このバンドでドラマや映画のサントラを手掛ける事が俺の夢だ。 曲は天から降りて来るとか、どこかの大御所バンドマンが言ってたけど、俺の曲作りは違う。 天からなんか降りて来ない。 曲は俺の中にあるんだ。 俺の中の溢れる音をひとつひとつ繋いで、重ねて、大きなひとつの音を作り出して行く。 日々の中で感じた事が、俺の中で音楽となって行く。 もちろんバンドサウンドは俺一人では作れない。 俺のイメージを、ギターの流星とベースの大翔が細かいリクエストに答えて、いろんなアプローチで奏でてくれる。 信頼できる、頼もしいメンバー。 最後に、うちのスーパーボーカリストの怜くんの歌詞と歌が乗って、俺たちsnowdropのサウンドが出来上がって行く。 今日もスタジオで練習。 このバンドを結成して一年ちょっと。 インディーズとはいえ、音楽活動以外にバイトなんかをしなくても生活出来るくらいにバンドは成長している。
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