<終・藍蘭、希ウ>

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 ***  それから、数ヶ月の後。  藍蘭は跡継ぎとなる王子を出産し――十六歳の若さで、この世を去ることとなる。不思議なことに、紅帝のものであるはずのその皇子の瞳は赤ではなく――香鈴と同じ、青い眼を持っていたという。  呪いを、解くことはできなかった。  運命はまた、香鈴から愛する人を奪い去ることとなった。  それでも、この世界で死んだクシルは――藍蘭は、死んだ後であってもなお、優しい微笑みを絶やしていなかったのである。  ゆえに、香鈴は、カレンは涙に暮れながらも祈るのだ。  どうか、これが、ただの悲劇ではない結末でありますように。藍蘭がそう、心の底から満ち足りて天国に行けていますように。 ――藍蘭……クシル。次の、世界では……きっと……運命を覆して見せるから……!  香鈴の戦いは、終わらない。  いつか愛する人とともに、天寿を全うできるその日まで。
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