第十九話

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ヘレナが伸ばした手は、ジレに届くことはなかった。 それからしばらく経って、ヘレナの両親が迎えに来た。 帰りが遅かったので心配して来たのだ。 二人がそこで見たもの。 それは泣きながら赤いマントを握りしめ、ジレの名を叫び彷徨うヘレナの姿だった。 ヘレナはジレが砂になったことに、気づかなかった。
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