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急に現れた俺の救世主。
名前は____________細波界。
皆さん、覚えているだろうか。
俺はこの美形な男を知っている。
いやこの学園全員の奴らが知っているだろう。
何故ならば、彼は風紀副委員長だからだ。
「ハイハイちょっと君、ダメですよ。どのくらいダメかって午後の紅茶を午前に飲むくらいダメ。これは重罪。お分かり?」
こんな光景は見慣れたもんだぜ。というようにペラペラと注意する細波界。
あれ?こいつこんなだったか?
自己紹介の時はクールで大人しい感じだと認識していたが。
「な、なんで風紀が…!」
口だけ野郎め。お前全然驚いてないだろ。
やばいと思ってんならさっさと手を離せ。
殺すぞ。
「なんだかんだと聞かれたら、答えてやるのがうんたらかんたら…って事で何故かは風紀室で言おうか。残念だけどカツ丼は出ないぜ」
さっさと外に出ろ、他の風紀が待ってるからと言って、俺の手首に巻きついたネクタイを外してくれる救世主。
「……わかった。大人しく行ってやっから先っぽだけ入れさせて、先っぽだけだから!」
「いやまじでお前ほんとに死んでくれ。ほんとに頼む。300円あげるから」
ごめんごめん俺ほんと300円あげるから。
気持ち悪いからやめてくれ。
「急にツンデレか…??ハッ、可愛いやつだな。安心しろ。俺が後でたっぷり愛してやる」
「まじ虚無虚無プリン。キモすぎてツラミやばたにえん」
しんどみが限界突破して、ギャル化した俺の肩を優しく叩く副委員長。
ヤンキーを他の風紀に連れていかせたこの倉庫はオアシスとなった。
「あー、君の名前は?一応君にも話聞くけど無理して話さなくていいからね」
片手で185センチの俺を起こす、パッと見170ちょっとの風紀副委員長。
「1年、ちょっとチャーミングな上坂諒です。まじシクヨロ。まだケツは変な感じスけど結構平気っす。あと、気になってたんですけど、副委員長キャラ違くないですか?」
「キャラが濃いんじゃ」
頭を抱える副委員長。
「なんでキャラ違うんですか!!!??」
どうしても気になる俺。
「エッッ剣幕すご………まあ正直に話すと、あれだ。
俺が喋るとね………あー…………、馬鹿がバレると……」
今度は俺が頭を抱える。
「……なるほど」
「……うん。納得しないで」
「……はい…しかし…なるほどな……」
「だから納得しないで……」
「とりあえず風紀室行きますか…」
「……だな…」
はたから見ると非常に愉快な雰囲気の中、2人は風紀室に向かった。
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