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「誰が誰のフィアンセだって!!!?」
思わず叫ぶ俺。
「俺と諒だよ何回も言わせんな恥ずかしい」
頬を赤らめるヤンキー。
「何照れてんだよ!!!死ね!!!」
「お前、急に強気になるじゃん…」
「うるせえやい!!!」
まさかの諒ちゃんが非処女どころかヤンキーのフィアンセになっていた。
これは由々しき事態である。
「あ、そういやお前なんの用だよ」
「おっふ忘れてた」
予想の斜め上のことが起こり
ここに来た目的をすっかり忘れていた。
「お前!!!諒ちゃんのどこがいいんだよ!!!身長でかくてデリカシーなくて口悪いのに!!!!!!おぉん!?言ってみろよオラァ!!!!!!」
ふっふっふっ…ヤンキーこれでお前答えられんかったら、即ハリケーンチョップだからな……。
どうせ「身体」だとか言うのであろ?
俺っち知ってるもん……。
1人でぐふふおふふ笑っていると、おもむろにヤンキーが口を開けた。
「いやおめぇ、身長なら俺のがでけぇから包み込んでやれるし、デリカシーなんて俺もないし、口の悪さなんて欠点のうちに入んねぇよ」
すごく誠実そうな目でこちらを見るヤンキー。
「……それに、あいつの笑った顔見てみたいと…思ったし…」
今度は照れくさそうに目線を外すヤンキー。
いやこれ俺っち恥ずかしいんだけど。
とんだ性格悪いやつだなこれ。
めちゃくちゃヤンキー良い奴やんけ。
ただのスパダリやんけ。
俺はとりあえず深呼吸をした。
諒ちゃんを襲うなんてどこの馬の骨かと思ったけど…
フッ………。おもしれぇヤンキーだ。
「お前のことを、諒ちゃんの彼氏だと認め」
ガラッ!!!!!!
「お前何勝手なこと言ってくれちゃってんの!!!?何言いくるめられちゃってんの!!?そしてなんでお前が許可出してんの!!?総じて意味がわかんねえとりあえず全員死ね!!!!!!!!!!!」
「俺のフィアンセ!!!!!!!!!!!」
「……諒ちゃん、いきなり入ってくるなよ。こっちはお話し合いしてんだ。」
「何が話し合い???当事者いないよな???あれ居ないよな???お前殴りに行ったんじゃなかったの???」
「ああ、ここにいるヤンキー「羽場夏輝だ」夏輝くんはとてもいい子だ。パパも安心だよ」
誰が誰のパパだと頭を掻きむしり
言いたいことは山のようにあるんだぞ、と顔をしかめる諒ちゃん。
そんな諒ちゃんに
夏輝くんが凄い速さで諒ちゃんにくっついてディープキスをかましかけた。
しかし俺っちの方針は『婚前性的接触禁止』
なので、容赦なく夏輝くんにドロップキックを仕掛ける。
今までそっと見守ってくれていた
周りのヤンキー達に倒れた夏輝くんを頼み
俺と諒ちゃんは空き教室を出た。
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