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諒side
空き教室を出てから
西山は俺の腕を引き、ずんずんと教室に戻る。
西山は終始無言で、その空気に耐えきれず思わず聞いてしまった。
「お前ヤンキーを殴りに行ったんじゃなかったのか?」
なぜ和解していたんだ?と、
今思えば本当に馬鹿だったと思う。
西山の纏う空気がガラッと変わったのにも気付かず、俺は言葉を続けてしまった。
「おい、聞いてんのかにし」
「諒」
今まで聞いたことの無い声の低さだ。
「俺、お前があいつのフィアンセだって聞いて心底腸が煮えくり返った。あそこでふざけてねぇと今すぐあの野郎殺しそうだったよ」
俺を見る西山の目が冷たい。
あ、あ、、、
「……ッにしや」
「あの野郎にもムカついてるけど、お前にもムカついてる。襲われたってんのに随分と呑気な事だ」
とんだビッチだなと顔を歪める西山。
「まて西山おれは」
違うんだ全部。
「諒、しばらくほっといて」
まって、はなしをしよう。
「ちょ」
あ、だから
「そういうことだから」
いやまてだから、
「話を毎回遮るな」
ビタンッ!!!!!!
俺は冷静に話し合いを進めるべく、とりあえず西山にビンタをした。
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