1194人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
俺にビンタされて呆然と左の頬を押さえている西山。
「全く。お前はいつもそうだ。話をしないと分かるもんも分かんなくなるだろ。時間が解決するって言うけどな、俺は俺自身で解決しようと思います」
西山はまだ口も目を最大限開いている。
あんなに開いていて、顎が外れないのだろうか。
スゥウッと大きく息を吸い込み、俺に伺い立てるように西山は口を動かした。
「エッッ……ここ絶対シリアスじゃんね…?なしてシリアルにしちゃったの!?」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ見慣れた小型犬。
よしよし。いつもの西山だ。
さっきの西山はいつものじゃなくて何か知らんがドーベルマンになってたからな。
「俺は、シリアスよりもシリアル派なんだ。……あとな一個、西山が勘違いしてることがある」
「……言い訳なら聞かないよ」
「そういうのいいから。まぁ聞け。
…………俺はな…、、、
………………………………処女だ」
「「…………………………」」
また大きく目と口を開く西山。
「マジで???」
「大マジだ」
「なんだよそれ。今日一大歓喜5秒前ぢゃん…」
西山は天を仰ぎながらそう言い、
さっきの仕返しだ、と
俺に、ビンタをした。
✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽
「そういやなんで諒ちゃんは俺のところに来てくれたの?エッッ何何???もしかして心配してくれてた?」
ニマニマニマニマニマニマニマニマ……。
ニヤケが止まってない。
誠にうぜぇな。
「クラスマッチの競技決めするから担任が探してこいと」
「そんなこったろーと思ってたよ!!!」
最初のコメントを投稿しよう!