1194人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
クラスマッチ準備期間だネ
クラスマッチの出場競技もそれぞれ決まった。
今日から始まるのはクラスマッチの飾り付け、出る種目の練習などの準備である。
「春川ァ!!!おめ、最初は右足からだって言ってんだろーが!!!何回目だこれ!!!」
「右とか左とか細けえことわっかんねえよ!お前が俺様に合わせる努力をしろよ!!!」
「なんでかたくなに合わせようとしないの!!?お前俺の事嫌いなの!!!???」
「…………悪い」
「いやそこだけガチになんなよ」
春川とクラスメイトが出る二人三脚の練習の光景。楽しそうな光景に思わず爆笑する。
ちなみに俺と転校生が出る借り人競走は、出題お題が当日になってからしか分からない。
だからぶっつけ本番で望むしかないのだ。
さらに言うと俺はまだ転校生を許していない。
いつまでもいつまでも根に持ってやる。あのあんぽんたんめ。
「りょーーーーちゃーーーん!!!」
「おべらぉッ!!!」
「エッ……抱きついただけでそんな不思議な声出る?」
「ぼぇっごっほごほぬッ……殺すぞ」
たった今、俺を生命の危機に追いやった残虐な男である西山は100mとリレーに出場する。
見事な安全パイだ。スタートした時派手にすっ転べば良いのに。
「あれ諒ちゃん。転校生は?」
「あんな外道知らん。俺は1人で生きていくんだ」
「またどっかで揉めてんのかな〜」
俺の話をスルーし、顎に指を添えて辺りをキョロキョロ見回した西山は、ある一点を見つめるとサーっと顔色を青くした。
「……揉めてらァ」
「…アッソウイエバボク、ハルカワニヨウジガアッタンダージャアナニシヤマー」
後ろをくるりと振り向くと肩を掴まれた。
「逃がさないぜ諒ちゃん」
顔を後ろに向けると、目が据わった西山君がこちらをみてそう言った。
最初のコメントを投稿しよう!