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教室へ戻り少しすると、転校生が戻ってきた。
何やら顔も服もボロボロで不機嫌そうだ。
舌打ちはするわ、イスは蹴るわ、頭は掻きむしるわ…………エッ辱めにもあわされたの??
イライライラしながら席に着く転校生に俺たちは声をかけた。決して野次馬根性とかでは無い。ただ心配だったので。
「よォ転校生。派手にやってたな〜」
「……見てたのかよ」
「見てねえよ」
「……さっき、『派手にやってたな〜』って」
「細けえ男はモテねーぞー」
基本的に適当に生きてるので数十秒も昔に自分が言ったことなんて覚えていない。
転校生も言う程気にしてないのか、聞いてもいないのに殴り合いにまで至った経緯を話し始めた。
「アイツら、マッジでうっぜえんだよ。聞いてくれるか?」
「いや遠慮し」
「俺はただぶつかっただけなのに」
「ハイハイ意思疎通が難しめの人間ね」
「アイツら『お前が諒さんの恋人か!?』ってさ、何考えてんだろなホント」
「fa??????????」
「いや急に、お前諒の恋人かー!?って」
「本当に何考えてんだろなァ!!!!!!!!!!!!!!!?????」
「まあ落ち着けよ諒ちゃん」
いつの間にかペロペロキャンディをぺろぺろしている西山がゲンドウポーズをしながら目で俺を宥めた。
「おぉちつけっっかよ!!!!!!!!!!!!!!!!知らない間にヤンキーさんに目ェつけられとんだぞ!!!!!!!!あん時まじで助けに行かなくて良かったわ!!!!!!!!!!!!飛んで火に入る夏の虫だったわ!!!!クソ!!!!!!!!」
怖い怖い怖い怖いなに急に??百発百中あの夏輝だとかいうイカレヤンキーのなんかあれだと思うけどなに??????
俺なんかした??浮気しちゃった??
いや付き合ってなかったわガッハッハッ、は?
「りょーちゃーーん落ち着け〜飴食べるー?」
「ぶどう味」
「よーーし、はいコレ〜」
「あんがと……」
恐怖でエグエグなりながら飴をぺろぺろなめてるとおもむろに転校生が口を開いた。
「……なぁ続き話していいか?」
「……悪かったな話を遮って。いいぜ、話せよ」
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