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クラスマッチまで長かったね
雲ひとつない青い空。
そよ風が優しい涼しい気候。
そして、周りにはむさ苦しい男ども。
ただいま、クラスマッチ開会式中である。
「はてさて果てさて〜〜!絶好のクラスマッチ日和でございます!今回!有り難きことに!クラスマッチの運営、実況を務めさせていただきます生徒会副会長!名前は〜〜〜〜〜〜???」
「「「海松馨様〜〜〜〜〜〜〜!!!!」」」
「きゃーーー!大正解で〜〜〜〜す!!」
「でも様は要りませんよぉー」と可愛らしい笑顔で子供のようにはしゃいでいる副会長さん。あんたそんなキャラでしたっけ?
「かおるんは1回こーいう行事で騒いでみたかったんだってよ」
隣からニョロっと湧いてきたのは転校生。
「年相応な所も素敵っスわ〜〜。………………『かおるん』????」
あっぶね危うく聞き逃すとこだった。
天下の生徒会役員をそんなギャルみたいに呼ぶな。馴れ馴れし罪で親衛隊にぶっ転がされるぞ。
「前ふざけて呼んだらめちゃめちゃに気に入ったぽい」
えっなになに諒もあだ名がい?ごめん気づかなくて、と続けて抜かす転校生の耳を限界まで引っ張っていると、どうやらクラスマッチ開会式が終わったようで周りは各々動き出し始めている。
「イダだだだだりょっぴー離せっていだだだだだ」
「ハッハッハッハーよく伸びる耳だなぁ〜」
「いダダダダダダダダごめんっていダダダダ」
思ったより引っ張りがいがあって、しばらく転校生の耳を引っ張っていると後ろからゴジラの足音が聞こえてきた。
ダダダダダダダダダダっ!!
「っっりょーーーーちゃーーーん!!!」
「っほげらぇっっ!!」
はい殺す。絶対に殺す。
お前今俺がデ〇ノート持ってなくて良かったな。
お前のいない新世界で神となっていたところだったぞ。
「……………………何の用だこの██野郎」
「諒ちゃん自重して!!でもほんとごめん!」
諒ちゃん見ると体が勝手に抱きつきに行くんだよ俺悪くないもの、これっぽっちも悪くないもの、と反省してるんだかしてないんだかふざけている言葉をブツブツ呟いて西山は、アッっと何かを思い出したように口を開いた。
「そーだ諒ちゃん!諒ちゃんの出る借り人競走のことなんだけどさ!」
「チッあの忌々しい競技か」
元凶である転校生の方をちらっと見ると、そいつはホゲッと呑気に鼻歌を歌っていた。
俺はそっとそいつの鼻をつまむ。
「で、その競技が何だって?」
「んんと、ここだけの話、今回のお題相当やばいらしいよ……。何でもお題提案者の1人に風紀副委員長の小波界がいるとかいないとかって」
あんのおバカちゃん!!!!!!!
「マジでか…………」
「そ、頑張ってね諒ちゃん。お題困ったら俺ん所来いよ」
「西山たぬ………………」
「なぜ急にギャル?」
友人の優しさに泣いた。
お前がクラスメイトから好かれる理由がわかったぞ。
感動をかみ締めていると手の先で暴れている何かを発見。
目を凝らして見れば、なんと転校生だった。
「痛い痛い痛いはにゃせって諒痛い痛い痛い」
俺の手には転校生のつままれた鼻。
おっとっと、うっかりさんも兼ね備えているのか俺は。魅力的すぎて怖いな。
「はははは、悪い悪い」
「悪いと思ってないだろ!!」
赤くなった鼻を擦りながら転校生は睨みつけて言った。なんだなんだ、
「殺るか??」
「諒はなんでそう好戦的なんだよ悪かったな!!」
素直な友人に笑って俺も悪かったよんと彼の頭をなでこなでこしてたら、もう周りには人がほとんど居なかったのでwith西山と会場を後にした。
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