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「あの〜、それでどうする?」
学校の無駄に広い敷地内を3人で歩いているところだが、これからの予定はノープランだ。
「んー、俺、障害物競走見たいっす」
竹田さんの問いにそう答えるとヤンキーに手を軽く引かれた。
「じゃ、行くか」
待て待て。行くか、じゃない。
「羽場くん。別に俺の手は取らなくてもいいんじゃないかな」
そう言うと、ニヤリとした顔で笑うヤンキー。
「ははは、あ〜ハイハイ諒はこっちが好きだったな〜」
手首を掴まれていた手でスっと手を握られた。
そのあとすかさず指を絡められギュッと握られる。オイオイオイ、
「好きとかねぇけど!???俺は手を離せっったの!!!」
こんの忌々しい恋人繋ぎ(小声)をどこの誰が所望したよ!
「照れんなよ」
「ハーーン!?べっつっに!!照れてねえけど!!?」
ウギーーーー!と、めちゃくちゃに繋がれた手を振り回してどうにか解こうとすると、ますます強く握られた。
空いている手で頭を梳かれ、そのまま頬を撫でられる。
「ちょっとだけ、な?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!!」
くそ、くそ、コイツ分かってやがる。もうこれ以上反論させない、俺が反論できない表情だ。
「〜〜〜〜ウ〜〜〜〜っ!くそッ」
それをわかって駄々をこね続けるのもかっこ悪いので大人しくちょっっっっとだけ手を繋がせてやることにした。
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