春、荷車に乗って

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春、荷車に乗って

この物語の主人公は 休載中「東京 川辺の物語」の ヒロインの一人、栄依子の たった2日間の物語です🌸 栄依子は東京府立向ヶ丘女学校の 3年生、15歳。 家は東京下町、荒川区の尾久で 軍需工場や貸し長屋を経営している 裕福な家でした。 終戦間近の、昭和20年4月 5人兄妹のうち 長女は宮内省に努めています。 長男敏夫は大学1年でしたが 戦争が激化して授業はほとんどありません。 軍用工場へに勤労奉仕の日々です。 戦局が厳しくなって 兵役免除されていた大学生も 「学徒動員」の名のもとに招集されるようになったので 敏夫も覚悟はあるようでした。 栄依子たち女学生も 非常事態で授業は無く 町工場で働かされています。 すぐ下の妹は小学校6年 父方の親戚のある 静岡県、富士市に疎開。 一番下の祥子はまだ2年生。 お母さんから離れられず 疎開を嫌がり、東京に残っていました。
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