はなことば

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はなことば

私にとって、はなことばは不愉快でしかない。 それは、寝静まった夜に突然やってくる必然的な狂気。 隣から声が聞こえてくる…それは不条理なメロディの旋律。 「ぐぅ…ごぉ…はなこ…ぉ…ムニャ…あいしてる…よぉ…ぐーぐー…」 私の名前は花穂(かほ)です。 子供もいない…寂しい家庭なの…。 隣で寝ている亭主のはなことばを率直に受け止めることは決してできないであろう。 私は明日の小さなお引っ越しが楽しみでしょうがない。 いい夢がみれますように… そんな彼女の枕元には花瓶に入った鮮やかな色のユリとカスミソウが置かれていた。 【終】
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