II

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サンテガルはリサリーの無惨な肉片を見て叫び声を上げた。空洞に鳴り響き、地面が僅かに揺れた。サンテガルの鬼の形相はますます険しさを増し、叫び声が響き渡る頃には声がくぐもっていた。ラスバーンと同じ声に変わった。 ラスバーンが握った手を開くとリサリーの灰が空中を舞った。ラスバーンはまるで灰にむせたかのように一瞬、醜い顔をよじらせたが直ぐに高笑いしてみせた。 「そうだ、サンテガル! 我に、我に近づけ!!」 私はサンテガルの動きを見て声を張り上げた。 「ガル! 闘うな! 儀式を続けるんだ!」 気が触れたのかサンテガルは剣を抜き、ラスバーンに立ち向かった。グリーマーが戦斧を構え直し、サンテガルと共にラスバーンへ迫った。
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