プロローグ 遠藤金藤は、主人公になりたくない。

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◆ 「おい、いつまで寝てんだ金藤(かねふじ)」 「あいて!」 激しい頭痛で起きると、見慣れたおっさんが俺を見下ろしていた。 なんだか、懐かしい夢をたくさん見ていた気がする。 「叔父さん、いてえよ!」 「うるせー。起こしてもらえるだけ、有り難く思え。そろそろ仕事の時間だろ。しゃきっとしろよ」 「あ、ああ。そうだな。はい」 仕事、な。 一昨日まで学生だった俺は、17歳にして突然、社会人デビューをすることになった。 俺が何かしたわけではない。信じてくれないだろうがありのままを伝えると…… 昨日、学校が消滅したのである。 しかも、俺のせいで。
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