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「ほら、カーテン開けるぞ」
開かれた部屋の窓から見える街は、やっぱり願っても変わることなく。
今日も異常だった。
俺の、小さな小さな願い事すら踏みにじり、三月の訪れとともに街は狂った。否、俺が狂わせたのだ。
そして俺は、この狂った街のプレイヤーとなった。
薄気味悪い紫色のオーロラのようなものに囲まれた、知らない顔をした俺の大切な街。
俺が、大切な人を消してしまった街。
その景色を見ながら、俺は一昨日……災厄の箱が開かれた日を思い返し始めた。
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