30日間異能力事件簿〜家にきた宅配便は、パンドラの箱でした〜

2月29日 新作のゲームが届くのを待つ、そんな小さな幸せを大事にしたい。

「おい、帰るのか？」

恐る恐る振り返れば、理由を述べてみよと、じと目で睨みつけてくる幼なじみが二人。

「新作のゲームが届くんだよなー。てなわけで、今日はパス！」
「また試験前なのにゲーム買っちゃったの！？」
「きんと、今回はさすがに叔父さんも怒るんじゃねえか？」

放課後の教室で、一緒に試験勉強をしようと約束していた二人に、俺は必死に頭を下げていた。

そう、ただいま高校二年生の三学期。

進路決定、受験を控えた大切なシーズン。

そんな期末試験前に新作のゲームを購入してしまったのが、この俺……遠藤金藤(えんどうかねふじ)である。