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本人も相当焦っていたらしく、『なんでこんなに頑張ってるのに点数伸びないのーーー』と、いつもの『ーーー』口語で嘆いていた。
あのねー、母親にとって、子供の悩みや苦しみは、自分自身のものよりも数十倍キツイんだよーー。
と、言いたくなるのをこらえて、伸び悩む英語の勉強を手伝った。
中学英語くらいは余裕で出来るので、長文を読む特訓をするのだが、如何せん………。
卵が英語が出来ない理由は、圧倒的な単語不足だ。
単語を知らない。かなり初期に習ったであろう単語すら覚えていない。
英語現役を離れて25年以上(大学では英語を履修しなかったので、高校で終わった)経つ私でさえ分かる単語を、卵は知らない。
要するに、覚えていない。
最重要疑問詞である5W1Hでさえ、知らなかったという驚愕。
受験生が今更?!? いつ、だれが、どこで、なにを、なぜ、どのように、を知らないなんて、本当にあり得ない。
怒りを通り過ぎて呆れ果てるとはこのことで、脱力もいいとこだった。
ここから始めなきゃならないのか………という恐怖。
しかし、やらなきゃならない。
本屋で県立入試過去問を買い漁り、英語の長文を読みまくり、読んでいくうちに、どんな単語がよく出るか分かり始めた。
これ本当の話だけど、経験上、入試の問題に使用される英語の単語は、似たりよったりだ。
長文を何個も何個も読んでいると、『あ、またこの単語出たねー』ということがよくある。
結局は、慣れることだ。
場数を踏むというか、何問も解くことが大切だ。
そのうちパターンが分かってくるし、慣れてくる。
今更もう、単語を1から覚えている暇はない。頻繁に出てくる単語に慣れるのだ!!!
《お断り》
これは、有坂が勝手に言っている勉強法なので、真に受けないよう、よろしく申し上げる。
単語を諦めたら、ボロボロだったじゃねーかっっ!! な〜んてお叱りはシャットアウトよ、うふ。
そんなこんなで、夜遅くまで一緒に勉強すること数日。
迎えた次の模試も、そんなに上がりはしなかった。
伸び悩む日々。近付く本番。
焦る親子。
しかしそんなある日。
『今度ねー、県立の推薦受ける人は願書を取りに来るようにーって』
卵が言った。
推薦……か。
推薦。ほぼ内申で決まるアレか。
………。
『卵よ、あんた、推薦受けてみる?』
内申には自信があった。
生徒会だし、吹部は副部長だし、真面目かっ?!と周囲に言われるほどクソクソ真面目な生活態度だし、地域活動参加しまくっているし。
いっちょ、試してみるか。
推薦で落ちても、一般で受けることは可能である。
もし推薦に受かれば、一安心ではないか。
先生に相談してみよ〜〜っと。
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