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「葉月「ブッ!」
なんて考え続けていたら突然名前を呼ばれて、噴き出して驚いてしまった。
「何で驚く?」
片桐君を見ると、マジマジとした顔で問い掛けてきた。
「だって名前で呼ぶからびっくりしたの!」
焦りながら私は噴き出した口元を手の甲で拭う。
「さっきも呼んだよ」
片桐君が女の子を名前で呼ぶところを見たことはなかったが、どうやら呼び捨てすることなんてなんとも思わないようだ。
私は慣れないからこんなにも焦っているというのに。
「さっきはそれどころじゃ無かったし、もう演技は終わりじゃない!あっ、ホッとしたらお腹空いたのを思い出した!付き合ったんだから、これからランチ奢ってよ!」
私は恥ずかしさを誤魔化すように捲し立てた。
「勿論。何処に行く?」
クスリと笑われながら返された。
もうお礼は考えてある。
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