trap.1

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「葉月「ブッ!」 なんて考え続けていたら突然名前を呼ばれて、噴き出して驚いてしまった。 「何で驚く?」 片桐君を見ると、マジマジとした顔で問い掛けてきた。 「だって名前で呼ぶからびっくりしたの!」 焦りながら私は噴き出した口元を手の甲で拭う。 「さっきも呼んだよ」 片桐君が女の子を名前で呼ぶところを見たことはなかったが、どうやら呼び捨てすることなんてなんとも思わないようだ。 私は慣れないからこんなにも焦っているというのに。 「さっきはそれどころじゃ無かったし、もう演技は終わりじゃない!あっ、ホッとしたらお腹空いたのを思い出した!付き合ったんだから、これからランチ奢ってよ!」 私は恥ずかしさを誤魔化すように捲し立てた。 「勿論。何処に行く?」 クスリと笑われながら返された。 もうお礼は考えてある。
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