3人が本棚に入れています
本棚に追加
ある日の授業中でのこと。
「ここはアレがソレになってコレがアレになるんだ。その現象を『ダークマター現象』って言うんだ。よーく覚えとけよ」
「……」
私は、先生が言ったことを黙々とノートに書き写していく。
周りのクラスメイトも、黙々とノートにペンを走らせていた。
この授業の担当の先生は、やや厳しめの男の先生だったため、皆静かだ。
正直言うと、私はこの静かな感じが嫌いだ。逆に落ち着かない。集中出来ないの。
集中、集中するんだ私……。下手なことすれば先生に怒られるぞ。
あーダメだな、こりゃ。なんか変に力が入っちゃう。早く授業終わんないかな……。
そんなことを考えながら授業に集中出来ないでいると、
『毎日がエブリデイだったら良いのになぁ』
『毎日が毎日ってなんだよ……』
突然、昨日見たアニメのワンシーンが頭の中に流れ込んで来た。
え? ちょ、私ってば何考えてんの!? ダメ! 集中しないと!
そう思って、どうにか頭の中に流れてきた物を消し去ろうとしても、容赦なくそのシーンが流れ込んで来る。
『毎日がエブリデイだったら』
私は、手で口元を押さえ震える。
『毎日がエブリデイ』
ダメ……こ、こんなところで……。
『毎日が』
こんな、こんな……。
私は、口元を押さえている手に力を込め、込み上げる感情を必死に抑え込もうとした。しかし……
「……ぷっ、あははははは!!」
我慢の限界が訪れ、私はそれを抑えることが出来ず、思いっきり笑ってしまうのだった。
突然の私の可笑しな行動に、ザワザワと騒ぎ出す教室。
「あ……あ……」
絶望する私。
……やってしまった。
私は授業中に、思い出し笑いをしてしまったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!