昼のかねた

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昼のかねた

「かねたーご飯食べよ」 付き合いたての彼女のまゆちゃん。同じサークルの子。 今日は弁当を作って来てくれるって言ってた。 「かねた、好き嫌いないって言ってたよねー」 そうそう。付き合うきっかけになった飲み会で、彼女の好みが『好き嫌いなく何でもキレイに食べる人』って言ってたもんだから、つい「オレないよ!」と勢いよく立候補してしまった。 「今日はね、ピーマンと椎茸の肉詰めと、とり唐揚げ。卵焼きとウインナーと、プチトマトとブロッコリー」 彩りのキレイな弁当。 「わーうまそー」 顔はひきつってないだろうか。 「今日は頑張っちゃったよ」 なーんてかわいいこと言っちゃうからあとには引けない。 「はい。おはし」 「ありがと。いただきまーす。ど、どれから食べようかな」 嫌いなものワン・ツー・スリーが揃う奇跡に打ち震える。
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