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陽の光を閉ざす緑の天幕。澱んだ土の臭い。ひんやりとした空気。何かの鳴き声。震える葉音に身を震わせた。辿ってきた道だったはずの地面は、途切れて立ち止まった先に何も見せない。振り返ってみても、根と草が蔽い茂るばかり。一体、私はどこから来たのか。どこへ行けばいいのだろう。――どこに、行けるのだろう。 
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