第1話 平凡な日々

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ガチャッ 「ただいま……。」 暗く誰もいない静かな家。 玄関の戸を閉めて自分の部屋に向かった。 トトトト……ガチャッ 部屋に入って、肩に背負ったランドセルを床に下ろしてベットに飛び込んだ。 ハァ…。 今日も一日、疲れたな…。  最近はいじめがだんだん過激になってきた。 蹴られたり殴られたところが正直言って痛い。 蹴られてできた痣を見て思った。 いくつもある痣を、兄さん達に見られたくないな……。 心配させたくない…。 でも、幸い痣は人目にあまり付くことのないところにあるから良かった。 皆、人の目に付きにくい場所をいつも狙ってきていたから。 だから注意してれば、見られないはずだ。 …… それにしても、本当に毎日がとてもつまらない。 僕をいじめて何になる? 僕をいじめて楽しい? 本当に、いじめはくだらない。 僕にとって学校は、ただ将来のために勉強をして、後はつまらなくて、くだらない、 そんなものだった。 平凡な日々って、なんだろうね。 今となってはもう、平凡な日々とはどんなものかわからなくなってしまった。 毎日が、非凡な日々をおくっていて…。 もうひとつ言えば、僕はもうずっと、心から本当に笑っていない。 笑うとしてもほぼ作り笑い。 何かあった時はいつも作り笑いをして、ごまかしてきた。 いつもそんなことをしてるせいか、僕はどんな時でも作りをできるようになり、また、 自然に笑うのはどうしたらいいか、分かんなくなっていた。
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