もう九腸寸断でしかない

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もう九腸寸断でしかない

 春が過ぎ、夏が終わって、気付けば秋。  そしてアタシの心にも、冷たい秋風が吹きまくっている今日この頃。  アタシは別にアイツと付き合っていたわけではなかったし、アタシが文句言う筋合いはない。  好きだって伝え合ったけど、それだけだし?  でもさ、何で何にも言ってくれないんだろう?  最近アタシは、家では部屋に引きこもっている事が多い。 【俺はお前から逃げないから】  そう言ったくせに!  逃げてんじゃん。  ウソつき~!  アイツに向かって、そう叫べたらどんなに楽か…  アイツがいつも哀しそうな顔をしてるから、苦しそうな顔でアタシを見てるから、責めるに責められないでいる。  何で何にも言ってくれないんだろう?  何か言ってくれたら、アタシもアイツも楽になれるような気がする。  怒ってないから、何か言ってよ…  あ~ぁ、花火大会が夢のよう…  あの夢のような日々よ、カムバック!  アタシは今日も早めにベッドに入り、枕を濡らす。  いつもそんなことばかり考えているから、夢にまで見てしまう。  夢でもいいから、声が聞きたい。  ねぇ、優響?  アタシの名前を呼んで、優しく笑ってよ。  朝起きて、スマホを確認する。  やっぱり、アイツからの電話もLINEもない。  さ、今日も頑張ろ。  せめて学校では笑っていよう。  さ、気合いだ!気合い!  アイツで前では、元気なアタシでいたいから。 
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