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あれは、いつだったっけ?
そんなに前ではなかったような気もするけど、記憶が曖昧で思い出せない。
違う、本当は思い出したくないから、曖昧なままにしてるんだ。
だって…
それは、本当に突然だったから…
ある日を境に、アイツはアタシに急によそよそしくなった。
でも、アイツはアタシを拒否するわけではなかった。
ただ、アイツからはアタシに何も話さなくなったし、近付いても来なくなったのだ。
そのうちアイツが2年生の女の子と毎日一緒に帰っている事が発覚し、アタシもアイツと距離を置くようになった。
推薦入試や就職試験が始まり、クラスの中も慌ただしくなり、アタシとアイツがどうとか噂にもならなかった。
そんな日がしばらく続き、それが当たり前の日常になって来た頃。
「花恋ちゃん、大変!」
4時間目の授業が始まる直前、由芽が大慌てで教室に駆け込んできた。
「どうした!めっちゃ、慌ててんじゃん?」
由芽は肩を震わせながら、荒い呼吸のまま話し出した。
「サキちゃん、東京の私立大に進学が来まったって…」
「そうなんだぁ」
そっか、大学決まったんだ。
良かった~!
由芽に素っ気なく返事をしたものの、アイツの進学が決まった事を知り、内心は自分の事のようにホッとしていた。
「花恋ちゃん、どうするの?」
由芽がまだ荒い呼吸のまま、アタシに訊ねた。
「アタシ?地元の短大に進学決まってるけど?」
「違う!そうじゃなくて、サキちゃん東京行っちゃうんだよ?このままでいいの?」
いいのって、仕方ないじゃん。
アイツが希望した大学に受かったんだから、アイツにとっては良いことだし…
それに今は、前みたいに話せる状況でもない…
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