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当たり前だよね…
そんな簡単にキライになんかなれないよ。
こんなに不機嫌オーラ出されてるのに、すごくドキドキしてる。
ねぇ、優響?
すごく不機嫌そうなのに、強く握られてる手からは不安が伝わって来るのはどうして?
誰もいない特別棟の階段の踊り場で、アイツはアタシの手をそっと離した。
「お前、昼休みどこで何してた?」
アイツが恐い顔で詰め寄ってきた。
やっぱり、怒ってることに変わりはない。
けど、何言ってんの?
「はぁ?」
昼休みって、悠成とどこに居たかってことを言ってんだよね?
「はぁ?じゃねーよ!購買の外ベンチ行くって言ってだだろ?どこにいた?悠成と何してた?」
んなこと聞いてどうすんの?
優響に関係ないじゃん!
自分は毎日彼女と帰ってるくせに、アタシが男子と一緒にいるのが気に入らないってこと?
アタシは腹が立ってきた。
「アンタに関係ないじゃん?アタシがどこで何してたか言う必要あるの?自分は彼女とよろしくやってるのに、何言っちゃってんの?アタシのこと捨てたくせ!もうアタシに構わないで!」
アイツが不機嫌オーラを出しまくりながら、更に詰め寄ってくる。
アタシは後退りする。
アタシの後ろには壁があり、もうこれ以上は下がれない。
アイツは壁に片手をつき、恐い顔のままアタシを見下ろす。
「誰がいつお前を捨てたって?」
「アタシのこと好きだって言ったのに、アタシから逃げないって言ったのに、全部嘘じゃん…」
アタシはアイツを睨んだ。
するとアイツは、また哀しそうな顔をした。
「お前さぁ、ホント分かってねぇよな…」
アイツは悔しそうな顔をした。
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