大山早苗

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大山早苗

翌日、愛子の勤める店に新しいエリアマネージャーとして、大山早苗は挨拶に顔を出した。 事務所で店長と話をしてから、仕事中の店を見に来た。 数名の店員が挨拶をする中、愛子はレジに入っていて接客中だった。 だから軽く会釈だけをして、挨拶は遠慮した。 後でチャンスがあれば改めて挨拶しようと考えていた。 「お構いなく、お仕事続けて下さい。」 挨拶に来た店員に言い、暫くレジの後ろのスペースで店長と店を見ていた。 「随分、年齢が高いスタッフがいるんですね、このお店。パートさんですか?」 後ろから聞こえた声に意識しながら、聞こえない振りで接客を続ける。 自分の事かな、とは思った。 今の店舗でパートを含めて愛子が最高齢だったからだ。 「社員ですよ。笹嶋さんはベテランです。助けて頂く事も多いです。」 30歳、シングルマザーの店長がフォローしてくれる。 「長いだけで実績がないのではね?でも店長がそう言われるならそうなのでしょうね?」 にっこりと笑顔を向けて、大山は言った。 それから二日に一度ペースで、店に顔を出す様になった。 エリアマネージャーだから、担当店舗に顔を出すのは当然で不思議ではないが、回数が多かった。
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