藤代 拓巳 

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藤代 拓巳 

母一人、子一人で育ち、高校卒業と同時に母親が先立ち、藤代(ふじしろ)拓巳(たくみ)はそれから一人で生きて来た。 母親はお気楽な性格で明るく、家事が苦手。 その癖、男性がいないと生きていけない寂しがり屋。 恋人はいつもいた。 美人だった。それは自慢だった。 母親の恋人が頻繁に変わり家にいたからか、拓巳は人付き合いが苦手だ。 距離の取り方が分からないし、馴れ馴れしい人も苦手だし、年齢を盾に説教する大人も苦手だ。 人とは極力関わらず生きて来て、多分、そうして生きて行くんだろうと思っていた。 彼女に会うまでは…。 笹嶋(ささじま)愛子(あいこ)旧姓、鮎川(あゆかわ)愛子(あいこ) 12歳歳上の憧れの女性で、幸せでいて欲しい人。 不器用な自分が手に入れた愛しい妻、今は藤代愛子だ。
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