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秀一を寝かし付けて、愛実のリクエストを受け、お酒を作った。
愛子特製の梅酒の瓶から、グラス半分に梅酒を入れてそこにソーダを注いだ。
「はい、特製ウメッシュ!愛子印!」
ソファに座る愛実の前にお盆ごと置いた。
「わーい!!ありがとう。肴まで!」
「一杯だけよ?明日も大学あるんでしょ?」
「うん、分かってる。拓巳ちちが帰ったら部屋に行く。たまにはお母さん独り占めしてもいいでしょ?」
と言われたら、愛子も嬉しい。
「お母さんも愛実を独り占めね?」
そう答えると嬉しそうに笑い、今日の喧嘩の話を聞かせてくれた。
「仲が良いから喧嘩になるのね?無関係な人が聞いたらただの惚気よ?」
「ええー?マジでムカついたんですけどぉ!!」
「意地張ってると謝るタイミング逃しちゃうわよ?長くなれば余計にね。そういうのはちゃっちゃと謝って仲直りした方がいいわ。好きならね?良いなら良いのよ?無視で!」
くすくす笑いながら少しの意地悪を込めてアドバイスをする。
「もう!お母さん意地悪!そういうお母さんはないの?意地張って謝るタイミング失くした事。」
訊き返されて少し考える。
「んー?拓巳さんは喧嘩しても速攻で謝ってくるから…。逆にこっちが申し訳なくなる。」
「拓巳ちち、お母さんに甘過ぎる!」
不満そうに言う愛実を見て、愛子もそうねと同意する。
「拓巳さん、今年厄年だったのよ。思い出してね?厄払いに行こうと思うんだけど、愛実も行く?誠一さんの時は一緒に行ったでしょ。覚えてない?」
「覚えてるわけないでしょ。あ、写真は見た。同じ神社?」
「そうしようかと思ってる。」
「厄年かぁ、でも何でまた急に思い出したの?誕生日だいぶ前じゃない。」
言われて、愛子は既婚者をどうしてわざわざ好きになるのかしら、と口を滑らせ、大山早苗の事を愛実に話して聞かせる流れになってしまった。
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