【運命の日】

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【運命の日】

名高いαを数多く排出してきた蓮見一族、奇妙にも生まれてくる子供はαばかり。総資産は数千億、5大財閥の一つに数えられる名家。皆、この家を羨む。   しかし俺の一族にはある秘密がある。「試練」ともいわれる、蓮見の血を引くものは一日――十八歳を迎えるたった一日だけ「Ωになる」。そしてこの時項を噛まれると二度とαには戻れなくなる。そしてその後の一生をΩとして過ごさなければならない。   項を噛んだ者は蓮見一族の入り婿として迎え入れられる。   この蓮見の秘密を知るのは同じく名だたる名家の出の者が集う、とある学園内の者たちのみ。次世代を支えるエリートを育成する名門校、八割をαが占めるこの学園で俺は今日まで過ごしてきた。しかしこの日だけは信じていたものすべてが敵となる。   蓮見の一族は皆この洗礼を受けてきた。逃げることなど許されない。   学園内で繰り広げられるのは一人のΩをめぐる奪い合い。誰が他を出し抜いて栄光を手にするか。このΩを手にすることは国を手にするも同意。  ただ一人の「(オメガ)」をてにするために錯綜する様々な想い。望むものは金か名誉かそれとも・・・。
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