〜変わる世界〜

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いつしかお互いの家を行き来したり、泊まったりするような間柄になった僕たちは、常に輪の中心にいた。人と関わる事に興味がなかった僕が、初めて抱いた淡い想い。ユノは人としてとても魅力的だし、僕に無いものをたくさん持っている。だから惹かれたのかもしれない。でもそれは、持つべき感情ではないから、心の底にそっとしまった。 成績は悔しいけどいつもユノが1番で、僕はどう頑張ってもユノを抜かす事は出来なかった。でも、ユノになら負けてもいいと思ってた。 そして、3年生になる頃には、僕たちは近所の高校でも有名なワンツートップで、"ユンジェ"と2人一括りで呼ばれるようになり、みんなから一目置かれるようになっていったんだ、、 いつも一緒にいるから、離れると半身をもぎ取られたように不安で仕方なかった。 それでも、否応なく楽しい時間は過ぎ去り、あっという間に卒業の時を迎えた。 ユノとは別の進学先だから、春から離れ離れ。 進学のためとはいえ、ユノと離れ離れになるのは辛かった。学校の楽しさも、輪の中にいる楽しさも全て教えてくれたユノ。僕はユノが居なくても1人でやっていけるだろうか、、? 僕は母と同じ看護師の道に進み、ユノは都心の大学へと進学した。 母は、女手一つで僕を育ててくれた。そんな後ろ姿を見てきたからか、自然と将来は看護師になりたいと思った。先生には看護師じゃなくて医者を勧められたけど、僕の家の経済力ではちょっとね、、だから、早く手に職をつけて働きたかった。 進学してから、初めのうちはユノと連絡を取り合ってたけど、忙しくなるにつれ、次第に疎遠になっていった。 進学先にも名が知られてたせいか、虐められる事は、一切なかった。改めて、ユノのお陰だと思う。 ー卒業し、病院に勤める頃にはユノへの淡い想いは薄れていった
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