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あっという間に、プログラム15番となっていたのであった。
もう、私の番が来たのだ!!
鼓動が早くなっていく。
ドクンドクンドクンドクンドクンドクン
なぜなら緊張してるのだ。
係員がピアノの用意をする。
そう、ステージ上にピアノを設置しているのだ。
キャシーは自分が持っている楽譜をくしゃくしゃになるぐらい、ぎゅっと握り締めた。
キャシーは舞台袖のステージカーテン裏に隠れていた。
そこで横にいるマリアは小声でこう囁いた。
「キャシー。頑張れ!!」
キャシーは頷き、ロボットのような歩き方で、ステージ上に上がった。
マーフィ先生はカジュアルバックから、自分の楽譜を取り出して確認しようとしていたら、そこで異変が感じたのではないか。
『ロックでぶっ飛ばせ!』という楽譜があった。
これはどういうものなのか。
そのおまけにマーフィ先生の好みなのである
ビートルズの『Hey Jude』の楽譜が無いのだ。
これはまさか!!!!
どうしよう.......。
マーフィ先生の顔が真っ青になっていた。
つまり、キャシーとマーフィ先生の楽譜がすれ違っていたのだ。
キャシーはステージ上に上がって、舞台のど真ん中に来て、お辞儀をした。
観客者の盛大なる拍手をキャシーに送った。
パチパチパチパチ!!!!!!!!!!!!!!!
焦っていたマーフィ先生も拍手を送った。
パチパチパチパチ!!!!!!!!!!!!!!!!!
「これより、プログラム15番目。キャシー・ルック『ロックでぶっ飛ばせ!』です。」
キャシーはピアノに向かい、ピアノのところにビートルズの『Hey Jude』の楽譜を差し込んだ。
マーフィ先生は座席から立ち上がろうとしていた。
これはまずい!!
「待て!待て!待て!」
審査員のおばさんは後ろを振り向いて、彼を睨んでいた。
「あんた、興奮しているけれども、大人しく聴いたらどう?」
「ち、違うんです!」と叫びながら、左手に
『ロックでぶっ飛ばせ!』の楽譜を持ち構えて、右手で振っていた。
キャシーは止めることなく、そのまま無視して、ピアノを演奏しようとしていた。
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