第3話『オーディション大作戦!!』

10/11
前へ
/44ページ
次へ
マーフィ先生は舞台裏に駆けつけた。 「マリア、これキャシーに渡して!俺の楽譜とキャシーの楽譜とすれ違っていたんだ!!」 マリアはその話を聞いて、驚いた。 「えぇ!!??じゃあ、何故、今、キャシーはビートルズを.....!?」 マーフィ先生はどや顔で自慢げに言った。 「それはな.........俺が教えた。」 マーフィ先生は5枚もあるキャシーの楽譜をマリアに手渡した。 「了解!!じゃあ、キャシーに私が行くね!!」 マリアは敬礼して、ステージに上がった。 丁度、キャシーはビートルズの『Hey Jude』を歌ったところだった。 マリアはステージ上に駆けつけていたら、右足がスピーカーのコンセントにつまずいた。 「キャシー!!!楽譜!!!!!あっ..........!!!!!!!」 その瞬間、マリアはステージに転んだ。 彼女が持っていた『ロックでぶっ飛ばせ!』の楽譜が散らばった。 観客者はざわめく。 キャシーは心配そうに彼女が持っていた楽譜を拾いだした。 「大丈夫?マリア?」 マリアは顔を上げて、キャシーに言った。 「大丈夫!!心配しないで!!!」 マリアは自力で立ち上がって、服に付いているホコリを払った。 「キャシー、もう一曲頑張れ!!さっきのビートルズの曲は良かったよ!」 「ありがとう!!マリア、君は最高の親友だね!!!!!」 キャシーはマリアに抱きついた。 観客者は「ワー!!!!!!!!!!」と言いながら、拍手していた。 おまけで、口笛のように、「ヒュー!!!ヒュー!!!」と鳴らしている方もいた。 マリアは「頑張ってね」と言いながら、舞台袖に戻ていた。 キャシーも頷きながら、ピアノに戻った。 キャシーは緊張感が和らげて、リラックスをして、ピアノの鍵盤の上に 手を添えた。 前奏はベートーヴェン第9番のような激しく弾いていたが、間奏になると、 エルトン・ジョンの 『Crocodile rock』か『I’m still standing』かのようなテンポで弾いていた。 これはロックと言ってもいいものなのか分からない。 でも、ピアノは緩やかそうに演奏していても、キャシーの歌自体は、ヘヴィメタルのように声を上げていた。 演奏が終わると、観客者は沈黙状態。 あぁ、やっぱりダメだったんだ。 これで、ロックバンド部なんか諦めるしかないと思いきゃ、1人、2人、徐々に拍手する観客者が増えていく。 拍手が大きくなってきた。 まるで、大雨が振りだしたかのように、拍手が大きくなっていく。 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 観客者や審査員は手が痛くなるほど、大きく拍手していた。 中には“アンコール”という声も出てきたのであった。 キャシーは次のように言った。 「何、アンコールワットでアンコールするの?ジョークだよ!」 一部の観客者は受け笑いをしていた。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21人が本棚に入れています
本棚に追加